農業の正社員の仕事はきつい?
給与や待遇面も気になる。
農業の正社員がきつい要因は、以下の点です。
この記事では、農業法人へ8年間正社員を勤めた実体験とともに、農業の正社員がきつい理由をお伝えします。
農業界で働きたいと考えている人は必読です。
この記事を読めば、農業へ転職する前に知っておきたいことがわかるので、参考にしてみてください。
- 業務できついポイントは力仕事と中腰の姿勢
- 年間休日は80日前後
- 手取りは15万円からスタート
- ボーナスは収穫の出来高で決まる
- 人間関係は社内から農業、周りの農家とさまざま
- 一度は農家でバイトして適正をチェックしておく
- 農業のバイトを探すならデイワークが便利
\ 単発バイトからOK!/
ライター:相馬はじめ
- 農業法人に8年間勤務
- 現場リーダー、SNS運用担当
- 得意な作物:キャベツ・白菜・じゃがいも・米・麦・そば
農業の正社員がきつい理由|仕事内容
農業の正社員がきつい理由その1は、仕事内容です。
農業は屋外作業がベースとなり、天候問わず仕事をしなければなりません。
雨や雪が振るなか作業することもしばしば…
ここでは、農業を始める前に知っておきたいきつい仕事の実態を紹介します。
業務の7割は中腰|腰痛持ちは注意
農業では、業務の7割中腰で過ごすのを覚悟する必要があります。
中腰は腰痛を持つ人やヘルニアを患っている人には、厳しい姿勢です。
特に腰を痛めやすい業務は、以下のとおりです。
- 作物の収穫
- 作物の定植
- 畑や田んぼの除草作業
野菜の中でもキャベツや白菜、かぼちゃなどの作物は重量があるため、腰を痛めやすい品目です。
一方で今の時代、自動収穫機や立って除草作業できるアイテムが登場していることもあり、以前より中腰で作業をする時間は減っていることも事実です。
たとえば、ジャガイモの収穫ではハーベスターという乗用の機械を使って収穫していますよ。
また別記事にて、農作業の腰痛を防ぐ方法も解説しているのでチェックしてみてください。
重いものを運ぶ体への負担
重たいものを運ばなければならないことも、農業のきついところです。
1つ10〜30kgある作物や肥料を手で運ぶことは多くあります。力に自信がない人や腰痛持ちの人は、特にきつい作業です。
- 肥料や石灰が入った袋
- 作物を詰めたダンボールやコンテナ
- 米や麦、そばなどの穀物類が入った袋
1つ30kgある米袋を積み上げていく作業は、ほぼ気合と根性だけで行います。
ただ最近は、重いモノを持つのをアシストしてくれるツール「パワースーツ」などが普及してきたことで、体への負担は軽い傾向になりつつあります。
農業法人への転職を考えるときは、労働負担をやわらげるツールを導入しているかもチェックしてみましょう。
夏場の過酷な畑作業
夏場の炎天下での農作業は、農業の正社員問わず、全農家がきついと感じているのが現状です。
7月から9月の畑は、体感温度40度以上に感じることも珍しくありません。
農家は炎天下の暑さを乗り越えるために、以下のような働き方をしています。
- 早朝からの作業
- 空調服の着用
- 気温が高くなる11時〜15時は休む
暑さ対策として早朝から仕事する農家は、午前3〜4時に収穫作業が始まります。
気温が高くなる11時から15時を休憩時間に回すことで、熱中症や日射病を予防しています。
現代の農業では夏場の暑さ対策として、空調服はかかせないマストアイテムです。
農業法人への転職を考えている場合は、福利厚生として空調服を支給してくれるのかもチェックしてみましょう。
凍てつく冬の収穫作業
農業の正社員は、寒さで手足が痛くなるのもきつい要因です。
霜が降りた畑は、地面も作物も凍っており氷点下の寒さを強いられます。そして防寒対策しなければ凍傷になることも。
冬場の防寒対策は、以下のとおりです。
- 防寒手袋と軍手の重ね履き
- 高い防寒性を持つ長靴
- つま先用のホッカイロ
冬の畑では手袋を2重にすることで、手を凍傷から守れます。
足先はとてもつもなく冷えるため、つま先用のホッカイロを使うのが必須でした。
冬の寒さを乗り越えるために、高い防寒性を持つ長靴を1足準備しておくのもおすすめです。
冬の農作業では、全身にかけての防寒対策が鍵となります。
年間休日79日の労働実態
農業の正社員がきついと感じるのは、年間休日の少なさです。
勤め先の農業法人によっても異なりますが、完全週休2日制の会社はほとんどないでしょう。
私が勤めていた農業法人は月6の休みでしたが、それでも休める方でした。
休みが少ない原因としては、作物をつねに管理する必要があることなどが関係しています。
また、農業の正社員は年間休日が少ないものの、収穫しない時期(閑散期)は有給を使いやすいので、まとまった休みを取ることも可能です。
農業の正社員がきつい理由|給与・待遇
農業の正社員がきつい理由には、給与面・待遇面も関係しています。
農業で正社員になった場合の年収の目安は、250万〜400万円です。
ボーナスの有無によっても、生活の余裕は大きく異なります。
実際の手取りやボーナス、福利厚生をベースに給与や待遇について解説します。
手取り15万円からのスタート
農業で正社員として初めてもらう給料は、手取り15万円前後になります。
給与は勤める農業法人や学歴、資格によって上下するものの、入社1年目にもらう金額はだいたい15万円前後が多いでしょう。
農業の正社員で給与を高める要素は以下のとおりです。
- 長く勤める
- できる業務の幅を広げる
- 運転免許や資格を取得する
入社したら長く勤め、積極的にできる業務の幅を広げれば評価も上がり、給与アップに期待できます。
トラクターやトラックを運転できる免許を保有していると、給与アップの交渉に役立ちます。
ボーナスは作物の出来高で決まる
農業の正社員のボーナスは、作物の出来高によって額が変わります。
農家の収入源は作物の出荷・取引値がベースになるので、出荷量が多く、市場価格が安定している年はボーナスに期待できます。
一方で、不作や市場価格が安い時期は、ボーナスが出ない可能性があることも否めません。
作物の出来高以外にも、ボーナスの金額を左右するポイントはあります。
- 勤続年数
- 個人の評価
- 保有する免許や資格
ボーナスの最高額は5カ月分です。
有休を使うのはあきらめる
農業の正社員として働いていれば当然有給は発生しますが、使えるシーンは少ない傾向にあります。
有給が使えない背景としては、人手不足や作物を管理しなければいないことが要因となります。
農業の正社員が有給を使える場面は、以下のとおりです。
- 閑散期
- 冠婚葬祭
- 体調不良やケガ
閑散期以外では、冠婚葬祭や体調不良でしか有給を使えないのも、農業の正社員がきつい理由です。
農業への就職を考えているなら、福利厚生の面もチェックしましょう。
農業の正社員がきつい理由|人間関係
農業の正社員がきつい理由は仕事や給与面だけでなく、人間関係にもあります。
農業法人も人が集まり1つの会社として成り立っており、苦手な上司や先輩に出会うことも否めません。
他の農家や農協などの人たちとの関係も絡んできます。
ここでは、農業の正社員がマストになる人間関係について紹介します。
どの会社にもある上下関係の悩み
農業の正社員にも上下関係で悩むことは多くあります。
上司や先輩に加え、後輩ができたときも悩みのタネは増えます。
よくある上下関係の悩みは、以下のとおりです。
- 言葉がきつい上司
- 業務工程を教えてくれない先輩
- 意思疎通が取れない後輩
一方で、上記のような悩みは農業の正社員だけでなく、どの職業・職種でも起こりうる要素であることがわかるでしょう。
反対に、優しく丁寧に教えてくれる先輩もいれば、慕ってくれる後輩もいます。
良好な関係を築く上では、自分から先輩や上司へ積極的に質問したり、後輩に話題を振ったりして、別け隔てなく接することが重要です。
周りの農家による監視
農業の正社員として働いていると、個人経営している農家とも必然的につながります。
畑が密集している農地では、さまざまな農家が作業しており、自然とコミュニケーションを取る機会があるからです。
農家と関係を築けると、以下のようなメリットがあります。
- 気軽に雑談できる
- たまに差し入れしてくれる
- 農業に関する情報をやり取りできる
農家との関係作りは、農業の正社員として働くうえでも楽しい要素です。一方で、農家さんの顔見知りが多くなることから、作業を視る目が増えることも事実です。
作業合間の休憩が休まらないと感じる人もいるかもしれません。
3〜5年で入れ替わる外国人実習生
農業の正社員がきつい理由としては、外国人実習生に業務を教えなければいけないことです。
外国人実習生は3〜5年のスパンで入れ替わるため、また新たに業務を教える負担があります。
外国人実習生に業務を教える流れは、以下のようになります。
年数 | 外国人実習生に教える流れ |
---|---|
1年目 | ボディーランゲージを駆使しながら 業務を教える |
2年目 | 日本語でやり取りできるようになり 細かな業務を伝えられる |
3年目 | 正社員同様の働きぶりとなる |
スムーズに業務ができるようになったタイミングで帰国するのが、悔やまれるポイントです。
外国人実習生の意思によっては、最長5年居てくれることもあります。
農業の正社員になってきついと感じない人の特徴5選
農業の正社員として働いてもきついと感じない人の特徴は、以下のとおりです。
上記の特徴に1つでも当てはまるなら、農業への転職を検討する価値は大いにあります。
ここでは、農業の正社員に向いている人の特徴をお伝えします。
1つの作業を黙々とこなせる人
農業の正社員がきついと感じない人は、単純作業が苦にならず、黙々とこなせる人です。
農業はルーティン化されている仕事が多いため、目の前のモノゴトに集中できる人は農業に向いています。
農業でルーティン化されている業務は、以下のとおりです。
- 畑の草取り
- 作物の収穫
- トラクター作業
上記の業務は現場作業の大半を占めるため、同じことを長時間続けるのが苦手な人はきついかもしれません。
1つの趣味に没頭できる人は、農家の素質があります。
日常的にスポーツしている人
農業の正社員がきついと感じない人の特徴としては、日頃からスポーツや筋トレをする人です。
農業は体が資本となるため、体力とともに筋力もあると大きなアドバンテージになります。
農業で体力が求められる場面は、以下のとおりです。
- 収穫物を運ぶとき
- 肥料を担いで散布するとき
- 噴霧器を背負って除草作業するとき
収穫物によっても重量は異なりますが、多くの場合、1つ10〜15kgあるダンボールやコンテナを運びます。
追肥作業では、1つ20kgある肥料袋を担ぎながら、丸1日畑の中を歩ける体力が求められます。
日頃からランニングやウェイトトレーニングをしている人なら、体力を使う業務にもスムーズに順応できるでしょう。
マンガやアニメを好きな人
農業の正社員として働きやすい人は、マンガやアニメが好きな人です。
農業に関わる人は、サブカル系の話題を好む人が多い傾向にあります。
好きなマンガやアニメが多いだけでも、職場でのコミュニケーションに直結します。
よく話題になっていたマンガは、以下の作品です。
- ワンピース
- 進撃の巨人
- キングダム
スマホゲームで盛り上がることもありますよ。
農業においてマンガやアニメを好きな人は、上司や先輩、後輩と関係性を構築しやすいでしょう。
車の運転が好きな人
農業の正社員に向いている人は、車の運転が好きな人です。
農業ではトラックやトラクターを、長時間運転するシーンが多くあります。
畑を耕す作業では、トラクターに1日中乗っていることも珍しくありません。
収穫時にはトラックを使って作物を運搬するため、慎重な運転スキルが必要とされます。
勤続年数が長くなるにつれ、トラクターなどの機械作業も任せられます。
日頃からドライブをするのが好きな人は、農業の正社員としての素質を兼ね備えているでしょう。
ブラックな企業を経験した人
農業の正社員に向いている人は、前職でブラックな企業を経験した人です。
みなし残業や休日出勤、外仕事での経験があると、農業の正社員になってもきついと感じないでしょう。
一方で、ホワイトな企業から農業へ転職すると、きつい現実を目の当たりにするかもしれません。
農業への転職を考えるときは、これまでの経験と照らし合わせて検討してみてください。
また、農業がどれくらいきついのか気になるなら、バイトで経験するのも1つの手段です。
農業でのバイトを探すなら、地元の農家を検索できる【デイワーク】がおすすめです。
農業の正社員になる前にやっておきたい3つのこと
農業への転職する前にやっておきたいことは、以下の3つです。
ここでは、農業への転職を有利にするコツや、失敗しない秘訣を紹介します。
マニュアル免許は取得しておく
農業の正社員になるには、マニュアル運転免許が必須です。
マニュアル運転免許が必要な理由は、軽トラックに乗れることが基本になるからです。
農業法人の多くは、マニュアル免許を保有することを前提にしています。
以下に当てはまる人は、マニュアル免許の取得を検討してみましょう。
- 普通自動車運転免許を持っていない人
- AT(オートマ)限定免許の人
- 満18歳以上の人
軽トラックに乗れるだけでも即戦力になれます。
農家でバイトする
農業へいきなり転職するのはリスクがあるため、農家でバイトをして一度経験してみましょう。
バイトであれば本業を持つ人でも副業感覚で、お小遣いも稼げます。
バイトを体験する中で「向いていない」と分かれば、転職への舵を切らずにすみます。
農家のバイトを探すなら、以下の求人サイトからチェックしてみましょう。
上記のサイトなら、地元でアルバイトを募集する農家を簡単に見つけられますよ。
週2で筋トレしておく
農業の正社員を目指すなら、週2で筋トレすることを目安に体力・筋力をつけておきましょう。
筋トレする過程では、体の動かし方も学べるので、重たいモノを運ぶスキルが身につけられます。
筋トレのおすすめメニューは、以下のとおりです。
- 腕立て伏せ
- 懸垂
- スクワット
ジムにいかずとも自宅で始めてみてください。
農業の正社員がきつい理由|Q&A
農業の正社員がきつい理由への質問は、以下のとおりです。
8年間農業法人へ勤めた実体験も取り入れながら、質問に回答していきます。
農家の収入源には何がある?
農家の収入源は、主に作物を出荷して売り上げた金額ですが、以下のようなところからも収入を得ています。
- 補助金
- 直売所
- 加工品販売
米や麦、大豆などの飼料用の穀物には、補助金が用意されています。
道の駅やスーパーなどの直売所に野菜を卸したり、作物を使って自ら加工したりして販売する農家もいますよ。
収入を得られる販路は、市場以外にも多くあります。
農業は人手不足に悩んでいる?
日本農業は、人手不足の問題に直面しています。
人手不足の要因は、以下のとおりです。
- 少子高齢化
- 担い手の減少
- 都市部への移住
人手不足の問題は高齢化とともに、若者の農業離れによっても加速しています。
国では人手不足の解決策として、スマート農業へ注力しています。
スマート農業の事例では、ドローンによる作物の管理や、GPSを搭載したトラクター業務などがありますよ。
スマート農業が発展すれば、自動化できる作業が増え業務負担を減らせるため、農業未経験の人にも働きやすい環境に期待できるでしょう。
農業の正社員に向いていない人の特徴はある?
農業の正社員に向いていない人の特徴は、以下のとおりです。
- 飽きっぽい人
- 体力がない人
- 外仕事が好きじゃない人
上記に当てはまる人でも、実際に農業を体験してみると楽しいと感じるケースもあります。
農業に興味はあるが就職するハードルが高いと思う人は、副業として農家でバイトするのも1つの手段です。
農家のバイトを探すなら、デイワークをチェックしてみてください。
また別の記事では農業の3K(汚い・キツい・稼げない)について解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。
【まとめ】農業の正社員はきつい
今回は、農業の正社員がきつい理由にフォーカスしながら、農業の実態を紹介しました。
農業の正社員がきつい理由として、以下の3つに分けて解説しました。
- 仕事内容
- 給与面
- 人間関係
農業のネガティブな側面を取り上げて解説しましたが、農業の正社員はやりがいのある職業です。
作物を生産し出荷するまでの工程では、多くの知識や経験を取得できます。
太陽の下で仕事する農業は、冗談抜きでポジティブな気持ちなれますよ。
農業に向いているか確かめるなら、農家でバイトして経験するのも1つの手段です。
デイワークなら、農家アルバイトの掲載数が豊富なので、地元で手伝える農家さんが見つけられます。
\ 単発バイトからOK!/
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