農作業に使う長靴を購入したことがないから、どれを選べばいいのわからない…
自分にあった長靴を選ぶポイントはあるの?
この記事では、農作業で使う長靴選びに困っている方の悩みを解決します。
本記事を読むメリットは、以下のとおりです。
- 長靴を選ぶコツがわかる
- 疲れない長靴が見つかる
- 長靴を選ぶ際の注意点が知れる
- 長靴と併用するアイテムがわかる
- 農作業に特化したオススメの長靴がわかる
本記事を読めば、農作業にオススメの長靴が見つかるので、余計なお金を払うことなく理想の一足と出会えます。
8年間農業で働いた経験を元に、農作業で使う長靴選び方を紹介しますよ。
ライター:相馬はじめ
- 農業法人に8年間勤務
- 現場リーダー、SNS運用担当
- 得意な作物:キャベツ・白菜・じゃがいも・米・麦・そば
農作業で使う長靴を選ぶ5つのコツ
農作業で使う長靴を選ぶときに着目するポイントは、以下の5つです。
農作業で使用する長靴は、上記のポイントをチェックして選びます。
ここでは、自分にあった長靴を選ぶためのコツをお伝えするので、参考にしてください。
重さをチェックする
長靴の重さは、農作業の効率と体の疲れを左右する重要なポイントです。
長靴選びでは、一足1kg以内を目安に探してみましょう。
重い長靴は、畑や畦道(あぜみち)で歩きにくく、泥が付くとさらに重くなり負担が増えます。
軽くて柔軟性がある長靴を選んで、農作業の疲れを軽減しましょう。
足のサイズをチェックする
長靴のサイズは普段履いてる靴よりも、ワンサイズ下げて選びましょう。
長靴は大きめに作られている傾向があるからです。
足のサイズにフィットした長靴は、長時間の農作業での疲れを軽減します。
長靴を試着するなら、ワークマンやコメリなどのホームセンターに足を運んでみましょう。
オーバーサイズの長靴を購入したときは、靴下を重ね履きしたり、中敷を入れたりすれば対処できますよ。
使われる素材をチェックする
長靴に使われる素材は、耐久性や機動性を左右します。
長靴に使われる素材では、以下の3つになります。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
天然ゴム | 柔軟性が高く動きやすい 強度もあり長期間使える | 価格が高い傾向にある 温度への変化に弱い |
合成ゴム | リーズナブルな価格 気候の変化にも強い | 柔軟性が低い 経年劣化する |
ポリ塩化ビニル (PVC) | 汚れに強く劣化しにくい メンテナンスが容易 | 通気性がなく蒸れやすい 寒いと亀裂が入りやすい |
長靴に使用される素材によっても、耐久性や柔軟性、価格帯は変わります。
耐久性に特化した長靴を選ぶなら、ポリ塩化ビニル(PVC)素材の長靴がおすすめです。
ポリ塩化ビニルの長靴は、水洗いすれば泥汚れもすぐに落ちるので、外観もキレイに保てますよ。
丈の長さをチェックする
長靴によっても丈の長さは変わり、履きやすさや蒸れやすさを左右します。
長靴の丈は、大きく分けて以下の3タイプになります。
- ショート:足首までの丈
- ミドル:ふくらはぎまでの丈
- ロング:ひざ下までの丈
丈の長さによってもメリット・デメリットがあります。
丈の長さ | メリット | デメリット |
---|---|---|
ショート | 脱ぎやすい 蒸れにくい | 土が侵入しやすい |
ミドル | 取り回しの良さ 長靴の種類が豊富 | ふくらはぎが窮屈 |
ロング | 高い防水性 土や泥の侵入を防ぐ | 脱ぎ履きしにくい |
農作業で使う長靴を初めて購入する際は、ミドル丈を選ぶのが手堅いです。
長靴の重さを極力軽くしたいなら、ショート丈の長靴とフットカバーを併用するのがおすすめです。
防寒性をチェックする
長靴の防寒性は、冬場での農作業に大きく影響するポイントです。
高い防寒性を持つ長靴のインナーでは、以下のような素材が使われています。
- ボア
- ウール
- フェルト
- フリース
上記の素材がインナーで使われている長靴は暖かいぶん、価格が高い傾向にあります。
しかし、冬場の畑は足先が凍傷寸前にまで追い込まれるため、防寒性に優れた長靴は必須です。
長靴によってはインナーが取り外せるタイプもあるので、足の匂いが気になる人は検討してみましょう。
また、暖かさをより求める場合は、足に貼るホッカイロを併用するのもありです。
(※ホッカイロを使用する際は、使用上の注意をよく読み、低温やけどに気をつけてください。)
農作業にオススメ長靴5選!実際に使ってわかったメリット・デメリットも紹介
農作業にオススメの長靴は、以下の5つです。
実際に使用していたからわかる「メリット・デメリット」についても紹介していきます。
長靴選びがメンドウだと感じている方も、参考にして検討してみてください。
【軽さに特化】アトム 軽快ソフト先丸
サイズ | 22cm〜28cm |
---|---|
重さ | 760g(26cm) |
材質 | 表:天然ゴム 裏:ナイロン |
靴底 | 天然ゴム,合成ゴム |
値段 | 2,809円 (※2024年6月Amazon価格) |
- 軽くて柔らかく足にフィットする
- 田んぼなどのぬかるみでも脱げない
- 丈を折り曲げて長さを調整できる
アトム軽快ソフト先丸は、多くの農家さんにも愛用されている田植え長靴です。
軽くて柔らかいため、ウェットスーツのような履き心地をしています。
田んぼだけでなく畑作業にも使えるので、コストパフォーマンスは抜群です。
足にフィットするため夏場は蒸れやすいですが、丈を折り曲げて長さを調整することで、暑さを和らげます。
履き口には伸縮性のあるジャージ素材が使われているので、ふくらはぎにピッタリフィットしますよ。
【耐久性特化】弘進ゴム ザクタスZ-100
サイズ | 24cm〜29cm |
---|---|
重さ | 1.8kg(26cm) |
材質 | ポリ塩化ビニル |
靴底 | – |
値段 | 4,577円 (※2024年6月Amazon価格) |
- オールシーズン使用できる耐久性
- 濡れた畑でも滑らないグリップ力
- 豊富なカラーバリエーション
弘進ゴム ザクタスZ-100は、リーズナブルながらも高い耐久性を誇る、農作業に使いやすい長靴です。
夏冬問わず過酷な外環境にも耐えられる長靴であり、濡れた畑でも滑らないグリップ力で、安定した作業効率を実現します。
長靴の重量はありますが、丈が長く、土や草のタネの侵入を防いでくれますよ。
カラーバリエーションでは5種類展開しており、濃いめのブルーや農作業で映えるイエローなど、個性を出したい方にもおすすめの長靴です。
【疲れない長靴】ミツウマ ベールノースNo.7050
サイズ | 23cm〜28cm |
---|---|
重さ | 860g(26cm) |
材質 | 表:ポリ塩化ビニル 裏:ポリエステル |
靴底 | – |
値段 | 2,740円 (※2024年6月Amazon価格) |
- 暑さや蒸れを和らげるショート丈
- 接合箇所が少なく壊れにくい
- 使用する現場を選ばない汎用性
ミツウマ ベールノースNo.7050は、「軽い・丈夫・履きやすい」を備えた、ショート丈の長靴です。
余計な装飾がなく、接合箇所も少ないため、裂けたり穴が空いたりする心配はありません。
ショート丈のため、土の侵入を防ぐのにフットカバーが必須ですが、取り回しの良さはトップクラスです。
ミツウマ ベールノースNo.7050は、疲れない長靴を探している方にも試して欲しい、オススメの長靴になります。
8年間農業した中で、1番活躍してくれた長靴ですよ。
【圧倒的防寒性】ミツウマ ウィンタースペック
サイズ | 24.5cm〜28cm |
---|---|
重さ | 2.1kg(26cm) |
材質 | 合成ゴム |
靴底 | 合成ゴム |
値段 | 7,842円 (※2024年6月Amazon価格) |
- 雪国でも使用される防寒力
- 気候にあわせて取り外せるインナー
- 長靴全体ゆったりとした履き心地を演出
ミツウマ ウィンタースペックは、冬場の農作業で暖をとらせてくれる長靴です。
厚手の裏地とインナーソックスのダブル構造により、霜が降りた氷点下の畑でも、つま先が痛くならず作業できます。
片方1kg以上あるので、重さは懸念されますが、足の凍傷を防ぐのに活躍しますよ。
ゆったりとした履き心地で暖かい長靴を探しているなら、ミツウマ ウィンタースペックを検討してみてください。
【現代の田植え長靴】アトム 隼人(はやと)
サイズ | 22.5cm〜28cm |
---|---|
重さ | 1.06kg(26cm) |
材質 | 表:天然ゴム 裏:ナイロン |
靴底 | – |
値段 | 5,199円 (※2024年6月Amazon価格) |
- 耐久性が向上した田植え長靴
- 履き口の締め付けを調節できるベルト
- 滑りにくく石を踏んでも痛くない靴底
アトム 隼人(はやと)は、耐久性・利便性が向上した、田植え長靴です。
これまでの田植え長靴より厚手の生地となっていながらも、フィット感やフットワークの軽さは変わりません。
田植え長靴の中でも価格は高いですが、農作業全般こなせる汎用性に優れた長靴ですよ。
耐久性があり、軽くて動きやすい長靴を探しているなら、アトム 隼人を検討してみてください。
農作業に使う長靴を買うときの注意点
農作業に使う長靴を購入するときは、以下の注意点を把握してください。
上記の注意点を押さえておくと、長靴選びで失敗するリスクが下げられます。
ムダな支出を避けるためにもチェックしてください。
鉄芯入りは重くて疲れるので避ける
農作業で使用する長靴で、鉄芯入りを選ぶのは避けてください。
鉄芯入りの長靴が農作業に向かない理由は、以下のとおりです。
- 長靴が重くなり歩く負担になる
- つま先がぶつかり痛くなる
- 長靴の中が蒸れやすくなる
ネットで注意せずに購入すると、届いたあと気づくケースになりますよ。
鉄芯入りの長靴のメリットは、重たいものを足に落とした時の事故を防げることです。
農作業で鉄芯入りの長靴が活躍するシーンは少ないので、足の疲れを軽減させるなら選ばないようにしましょう。
接合箇所が多い長靴は壊れやすい
接合箇所が多い長靴は、裂けたり穴があいたりするリスクが高く壊れやすい傾向にあります。
農作業では立ったりしゃがんだりするため、長靴にとっては負担になる環境なのです。
接合箇所が少ない長靴では、田植え長靴や食品工場で使用される白い長靴などがありますよ。
初めて長靴を購入する際は、見た目で選んでしまいますが、お金をムダにしないためにも、接合箇所が少ないシンプルな長靴を選ぶのがおすすめです。
転倒防止のために靴底の凹凸をチェック
長靴をチェックする際は、靴底に凹凸があるかを確認してください。
滑りにくい長靴は、転倒防止につながります。
畑の土は水分を含むと滑りやすくなるので、フラットな靴底を選ばないようチェックしましょう。
グリップ力がある靴底は足への負担軽減にもつながり、作業効率も向上します。
斜面などを草刈りするシーンもあるので、靴底に凹凸がある長靴を選びましょう。
農作業で長靴と併用するべきアイテム3選
農作業で長靴と併用するべきアイテムは、以下の3つです。
上記のアイテムを併用するだけで、長靴全体の機能を底上げできます。
導入コストもかからないので、農作業での効率を上げたいなら、参考にしてみてください。
ファスナー付きフットカバー
農作業での土や泥汚れを防ぐなら、ファスナー付きフットカバーを併用しましょう。
ファスナー付きフットカバーのメリットは、以下のとおりです。
- 導入コストが安い(1,000円前後)
- 防寒性が向上する
- 履き口カバーがない長靴と併用できる
ファスナー付きフットカバーとショート丈の長靴を組み合わせると、軽量ながらもロング丈同様の汚れにくさを実現できます。
長靴に履き口カバーが付いていても、スキマから土や草のタネが入るので、汚れを防ぎたいならファスナー付きフットカバーは必須です。
長靴を購入するときにファスナー付きフットカバーも、あわせて購入しましょう。
つま先用ホッカイロ
冬場の農作業では、つま先が冷えて痛くなるので、つま先用のホッカイロは必須です。
つま先が冷えることで起こる現象は、以下のとおりになります。
- しもやけ
- 凍傷
- 体調への影響
つま先が冷えすぎると上記の現象が起こる可能性があり、判断力の低下にもつながります。
冬場は毎シーズン足のしもやけに悩まされていましたよ。
つま先用のホッカイロを貼るだけでも寒さは和らぐので、冷えに弱い方は併用しましょう。
疲れない中敷
農作業では長靴を履いて過ごす時間が長いため、中敷を入れて負担を軽減しましょう。
中敷を選ぶコツは、以下のポイントに着目してください。
- クッション性
- 通気性の有無
- 土踏まずにあった形選び
草取りなどのしゃがみ作業でも、足裏に負担がかかるので、中敷を入れてクッション性を高めておくのがオススメです。
中敷は作業後に取り出して干せば、蒸れを防止できますよ。
足腰の疲れを軽減するためにも、足裏と相性の良い中敷を選びましょう。
また農作業の腰痛対策については、以下の記事で解説しています。
農作業の長靴によくある5つの質問
農作業の長靴によくある質問は、以下の5つです。
ここでは、よくある質問に回答しながら、長靴選びに困らないポイントもお伝えするのでチェックしてください。
農作業で使う長靴はどこで買えますか?
農作業で使う長靴は、以下のところで購入できます。
ネット | Amazon |
---|---|
楽天市場 | |
店舗 | ワークマン |
コメリ |
ネットの方が種類も豊富で、安く手に入りますが、試し履きできないのが難点です。
長靴を試し履きするなら、ワークマンやコメリなどのホームセンターを利用しましょう。
また、気になる長靴がない店舗にない場合は、楽天市場やAmazonにある口コミを参考にするのも1つの手段です。
疲れない長靴を選ぶポイントはありますか?
農作業で疲れない長靴を選ぶポイントは、以下のとおりになります。
- 片足500g以下
- 足にフィットする柔軟性
- ショート丈かミドル丈
疲れない長靴の条件は、軽さ・柔軟性を備えた長靴です。
疲れない長靴を選ぶのが難しいなら、ミツウマ ベールノースNo.7050を検討してください。
ミツウマ ベールノースNo.7050は、フットワークが軽いため、収穫や定植、トラクター作業もストレスフリーです。
デメリットとなる点は、ショート丈のためフットカバーの併用が必須になります。
ミツウマ ベールノースNo.7050は、これまで10足以上の長靴を履いてきた私が選ぶ、オススメの長靴です。
おしゃれで使い勝手の良い長靴はありますか?
おしゃれで使い勝手のよい長靴は、アトムのグリーマスターです。
軽くてやわらかいゴム生地で作られており、長靴の特有の履き疲れに悩まずすみます。
サイズは22〜28.5cmと、幅広いラインナップを取り揃えていることから、男女ともに利用されています。
オシャレ感だけでなく、足が疲れにくい機能性を持つ長靴を探しているなら、アトムのグリーンマスターをチェックしてみてください。
白い長靴は農作業に使えますか?
食品工場や厨房で目にする白い長靴は、農作業にも問題なく使用できます。
白い長靴は耐久性もあるため、コストパフォーマンスに優れた長靴です。
白い長靴のメリットは、以下のとおりになります。
- 靴底には凹凸があるため滑りにくい
- ワークマンやコメリなどで購入できる
- 接合箇所が少なく穴や裂けるリスクが低くい
白い長靴を作るメーカーもさまざまあるため、どこを選べばいいか悩む場合は「弘進ゴム ザクタスZ-100」を選びましょう。
弘進ゴムは長靴メーカーとしても老舗なので、高品質な白い長靴が手に入れられます。
農作業をしても蒸れない長靴はありますか?
農作業をしても蒸れない長靴はありません。
長靴は防水性に特化しており、通気性が皆無なためです。
寒い時期は気温が低いため蒸れにくいですが、夏場は避けられません。
蒸れ具合は、足汗をかきやすいなどの体質によっても変わりますよ。
また、蒸れた長靴の中を乾燥させるマシーンがあるので、長靴の蒸れを軽減したい方は、チェックしてみてください。
参考:くつ乾燥機カラリ
【まとめ】農作業で使う長靴は軽さを重視
今回は、農作業で使う長靴を選ぶポイントや注意点、おすすめの長靴を紹介しました。
- 農作業で使う長靴は軽さとフィット感を重視する
- 素材によっても耐久性は変わる
- 汚れを防ぐならファスナー付きフットカバーを併用する
- 鉄芯入りの長靴は選ばない
- 疲れない長靴はミツウマ ベールノースNo.7050
長靴は効率的な農作業を実現する仕事道具になるので、自分の足にあった長靴を選びましょう。