【補助金】農業始めるなら活用しなきゃ損!補助金・支援制度5選を紹介

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農業を始めるときの資金に不安がある…

農業を始めるときに使える補助金は本当にあるの?

これから独立して農業を始める人は、以下の補助金を必ずチェックしてください。

この記事では、農業を始める人が活用できる補助金・支援制度について解説します。

はじめ

農業は収入が不安定なことから、「農家は毎年1年生」という言葉があるほどです。

リスクに備えるための方法や、独立時にやるべきことについても紹介するので、最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • 農業を始める前に年間150万円受け取れる補助金制度を知れる
  • 営農開始後に最大450万円受け取れる補助金が分かる
  • 補助金を利用するには国や市町村から認定される必要がある
  • 補助金で受け取ったお金は課税対象となる
  • 無料で新規就農について相談できる窓口・セミナーが分かる
相馬はじめ吹き出し写真

ライター:相馬はじめ

  • 農業法人に8年間勤務
  • 現場リーダー、SNS運用担当
  • 得意な作物:キャベツ・白菜・じゃがいも・米・麦・そば
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農業を始めるときに使える補助金・支援制度5選

農業始めるときに利用できる補助金・支援制度5選一覧

農業を始めるときに使える補助金・支援制度は以下の表です。

制度特徴
就農準備資金年間150万円支給
経営開始資金最大450万円受け取れる
経営発展支援事業購入費1,000万円まで負担
青年等就農資金金利ゼロ・5年間返済不要
地方創生起業支援金最大200万円支援

農業を始めるときに使える補助金・支援制度は、条件がそれぞれ異なります。

1つずつ紹介します。

就農準備資金|年間150万円支給

農業を始めるときに使える補助金として、まず検討すべなきのが就農準備資金になります。

就農準備資金とは、農業を始める準備をする人を対象にした補助金(支援資金)です。

就農準備資金の概要・条件の詳細は、以下の表になります。

支給金額・年間150万円(月12.5万円)
・2年間
条件・新規就農
・雇用就農
・親元就農
(上記のいずれかを目指す人)
対象年齢49歳以下
研修場所国・都道府県から認定された農家や農大など
研修時間年間1,200時間以上
(1日8時間の場合150日)
注意事項・常勤の雇用契約でないこと
・前年の世帯所得が600万円以下であること
・傷害保険に加入すること
・研修をきちんと行っていないと交付不可
・研修終了後1年位内に独立しない場合、全額返還

新規就農と雇用就農の場合、就農後5年位内に認定新規就農または認定農業者にならなければ、補助金は返還しなければなりません。

はじめ

親元就農であれば、5年位内に経営を受け継ぐ必要がありますよ。

研修を受ける2年間は収入が目減りするため、就農準備資金を活用して、生活費を支援してもらいましょう

経営開始資金|最大450万円支給

晴天とビニールハウス

農業を始めるときに活用できる補助金制度が「経営開始資金」です。

経営開始資金とは、独立して営農する認定新規就農者が利用できる補助金です。

経営開始資金の概要・詳細は以下の表になります。

支給金額・年間150万円(月12.5万円)
・3年間
条件・独立して営農すること
・認定新規就農者であること
・営農開始5年後までに農業で生計を立てられる計画があること
・目標地図または人・農地プランに位置づけられている、
 もしくは農地中間管理機構から農地を借りていること
対象年齢49歳以下
注意事項・前年の世帯所得が600万円以下であること
・交付期間よりも営農できなければ返還

就農後、適切な経営を実現できていない場合、交付の停止・返還になるおそれも

営農プランを考える際は、先を行く農家さんからアドバイスをもらったり、相談窓口を利用したりするのがおすすめです

経営発展支援事業|トラクター・設備購入費を最大1,000万円まで負担

経営発展支援事業はトラクターやハウスなどの設備購入費用を、3/4支援してくれる制度です。

経営発展支援事業の概要・詳細は以下の表です。

補助額最大1,000万円
(経営開始資金を利用している場合500万円まで)
条件・独立して営農すること
・認定新規就農者であること
・営農開始5年後までに農業で生計を立てられる計画があること
・本人が負担する金額については融資を受けていること
・目標地図または人・農地プランに位置づけられている、
 もしくは農地中間管理機構から農地を借りていること
対象年齢49歳以下
注意事項・前年の世帯所得が600万円以下であること
・交付期間よりも営農できなければ返還

経営発展支援事業では、最大1,000万円まで国と都道府県が補助してくれます。

一方で、経営発展支援事業の特殊な点は「自分が負担する金額分は融資でなければいけない」ことです。

たとえば、1,000万円のトラクターを購入した場合は、以下のようになります。

1,000万円のトラクターを購入した場合

3/4は国・都道府県が負担:750万円

1/4は融資による自己負担:250万円は融資を受けて払う

残額分を支払うとき、銀行や信用金庫から融資を受けると、金利がかかることに加え、毎月返済しなければなりません。

しかし、青年等就農資金を活用すれば、無利子かつ最初の5年間は返済しなくてもOKです。

はじめ

青年等就農資金の詳細は、次の見出しで解説します。

青年等就農資金|無利子で融資を受けられる

金利ゼロを表すオブジェクト

青年等就農資金は、経営発展支援事業で負担しなければならない融資分に充てられ、併用できる制度です

返済期限は17年と長く、そのうち初めの5年間は返済しなくてもよいため、手元に資金を確保できることが特徴です。

青年等就農資金の概要・詳細は以下の表になります。

借入限度額3,700万円
貸付利率無利子
借入担保無担保
借入期間17年間
借入条件営農にまつわる費用が対象
・農地造成にかかる費用
・農機具の購入費
・開業費
・農薬費など
対象年齢18〜45歳未満
注意事項無利子だが元本返済することが必須

営農していくための資金に心配がある人は、将来返せる見込みのある金額を借りて、手元に置いておくのもよいでしょう。

はじめ

農業を始めるときに融資を受けるなら、無利子かつ無担保で借りられる青年等就農資金を検討してみてください。

地方創生起業支援金|都心から地方で農業を始める人を支援

都心に住む人が地方へ移住し、農業を始める場合に利用できる補助金・支援金になるのが、地方創生起業支援金です。

地方創生起業支援金では、地方自治体が主体となっており、地域によっても支給額や内容が異なります

地方創生起業支援金の概要・詳細は以下の表です

対象者東京23区に在住または通勤する人
移住先東京圏外または条件不利地域
支給額・世帯の場合:最大100万円
 (18歳未満の世帯員1人につき追加で最大100万円)
・単身の場合:最大60万円。
条件・移住前の10年間で通算5年以上東京23区に在住または通勤
・移住後3か月以上1年以内に申請
・申請後5年以上移住先に居住する意思があること
要件地域で社会的起業を実施
注意事項移住支援金の詳細は地方公共団体に確認

地方創生起業支援金は移住支援金とも併用できる可能性があり、合わせると最大300万円の支援金を受けられることも。

はじめ

地方創生起業支援金を検討する場合、必ず移住先の自治体に問い合わせて詳細を確認してください。

農業始めるときに補助金とともに押さえておきたい2つの制度

農業始めるとき補助金とともに検討する制度イラスト

農業を始めるにあたり、補助金とともに押さえておきたいのが保険・共済制度です。

農業は自然災害など予期せぬトラブルが起こりやすく、経営難に陥るリスクがあるため、備えは大切です。

それぞれ解説します。

農業経営収入保険制度|差額9割補填

農業を始めるときに補助金とともに検討したい制度が、農業経営収入保険制度になります。

農業経営収入保険制度は基準となる収入が9割下回ったとき、その差額9割を補填してくれる保険制度です。

基準となる収入を決める際は、農業者として過去5年間の平均収入をもとに計算します。

保証対象となる事例は、以下のとおりです。

収入保険の保証対象
  • 病虫害
  • 鳥獣害
  • 自然災害
  • 取引先の倒産
  • 市場価格の低迷
  • けがや病気による作業不可
  • 輸出した作物が為替の変動で大きく損した など

保険料の支払い方法には「積立式タイプ」と「保険料のみ支払う掛け捨てタイプ」の2通りになります。

農業の収入源は不安定な側面が強いため、万が一のトラブルに備えるなら、農業経営収入保険制度への加入を検討することが賢明になるでしょう。

農業共済制度|自然災害・病虫害・鳥獣害に備える

農業共済制度は対象となる作物が限られていることから、すべての農家が必ず加入する必要はありません

対象となる農作物は以下のとおりです。

穀物類・麦
・大豆
・小豆
・そば
・いんげん
・米(水稲・陸稲)
根菜類・てん菜
・馬鈴薯(じゃがいも)
野菜類・たまねぎ
・かぼちゃ
・スイートコーン
その他・さとうきび

栽培する作物にあわせて、加入するかを考慮するとよいでしょう。

はじめ

保証の割合は5〜9割となっています。

農業共済制度の対象作物は限られていますが、該当する作物を栽培するなら検討してみてください。

農業を始めたら補助金を受け取るために提出する書類2選

農業の補助金を利用するために申し込む書類イラスト

農業を始めるとき補助金を活用するには、税務署に提出すべき書類があります。

新規就農する際は、上記の書類を忘れず提出しましょう。

それぞれ解説します。

開業届

独立して農業を始めたら、まず開業届を税務署に提出しましょう。

開業届は原則、事業開始から1ヶ月以内に提出する決まりがあります

第二百二十九条 居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。

e-Gov法令検索|所得税法

一方で、開業届を提出しなくても、罰金や罰則を受けることはありません

しかし、補助金・支援制度によっても開業届を提出し、青色申告者であることが条件になります。

はじめ

開業届は本業が忙しくなる前に、余裕を持って提出するのがよいでしょう。

開業届の申請書は、>>国税庁の公式ホームページから無料でダウンロードできます。

青色申告承認書

青色申告承認書は、開業届と同じタイミングで提出しましょう。

青色申告承認書を提出しなければ、開業年に青色申告することができません

青色申告者にならない場合、以下のようなデメリットがあります。

青色申告しないデメリット
  • 65万円の控除を受けられない
  • 経営にまつわる損失を繰り越せない
  • 一部の補助金・支援制度を利用できない
  • 30万円未満の購入費用を一括経費にできない
はじめ

青色申告承認書も「国税庁|公式ホームページ」からダウンロードできますよ。

現在は確定申告ソフトがあることから、会計士や税理士を雇わず、パソコン一台でかんたんに青色確定申告ができます

独立して農業を始めるときは、マネーフォワード確定申告free会計を導入して、費用をかけずに確定申告してください。

農業を始めるときの補助金について相談できるスポット3選

農業始めるときに補助金について相談できるところイラスト

国や地方自治体では、農業を始めるときの補助金や新規就農について、相談できる窓口・セミナーを用意しています。

農業を始めるときの不安や悩みを相談することも可能です。

それぞれ解説していきます。

農業経営・就農支援センター

農業経営・就農支援センターは、農業を始めるときの補助金について相談できる窓口です。

ほかにも、就農するための方法から経営に関する相談に対応しています。

農業経営・就農支援センターの特徴は、以下のとおりです。

  • 47都道府県に相談窓口がある
  • 無料で専門家のアドバイスを受けられる
  • 就農したい地域のとマッチングをサポートしてくれる

農業を始めるとき相談する人がいない場合は、農業経営・就農支援センターを積極的に活用しましょう。

全国新規就農相談センター

全国新規就農相談センターは、農業を始める人をサポートしている無料の相談窓口です。

新規就農するための基礎知識や栽培する作物の決め方、補助金にまつわることなどの疑問・悩みに応えてくれます

全国新規就農相談センターの概要・詳細は以下の表です。

所在地東京都千代田区二番町9-8
中央労働基準協会ビル2F
全国農業会議所
アクセス・JR「四ッ谷駅」から徒歩8分
・東京メトロ「有楽町線麹町駅」から徒歩4分
営業日月〜金
(祝日は除く)
営業時間10:00〜17:00
相談枠1:10:00
2:13:00
3:15:00
(※電話予約必須)
相談方法・対面
・オンライン
・メール
・電話

全国新規就農センターの所在は東京になりますが、オンライン面談に対応しているため、住んでいる地域関係なく利用できます

はじめ

メール相談は、対面相談に緊張する人におすすめですよ。

農業を始めたいけど方向性・プランが定まっていない人は、全国新規就農相談センターを利用して、専門家からアドバイスをもらいましょう。

After5就農セミナー・Weekend就農ミーティング

After5就農セミナー・Weekend就農ミーティングは、農業になんとなく興味がある人でも気軽に参加できるセミナーです。

名前にあるとおり、開催時間は平日の夜・土日となっており、本業がある方にも参加しやすいことがメリットです。

はじめ

オンラインで開催していることから、自宅で農業を始めるための知識が学べます。

過去に行われたセミナーは、こちら>>YouTubeの公式チャンネルからチェックできるので、気になる人はチェックしてみてください。

農業を始めるときの補助金についてよくある3つの質問

農業始めるときの補助金によくある質問イラスト

農業を始めるときの補助金についてよくある質問を3つ取り上げます。

1つずつお応えします。

農業の補助金は非課税ですか?

農業を始めるときに補助金を利用して、受け取ったお金は課税対象になります。

補助金が課税対象になることを理解していないと、脱税につながるおそれも。

補助金は「雑所得」として仕訳し、計上することが一般的です。

例として、農業準備資金を仕訳するときの計算を以下に取り上げます。

農業準備資金を仕訳するときの例

受け取った補助金額:150万円

1年間の経費(交通費や研修費):20万円

150万円ー20万円=80万円

80万円が雑所得なります

はじめ

農業を始めるときに利用できる補助金・支援制度は、課税対象であることを念頭に入れておきましょう。

新規就農するリスクはなんですか?

リスクと英語表記された画像

新規就農によるリスク一覧は以下のとおりです。

  • 経営して生計をたてなければいけないこと
  • 市場価格は変動するため収入が不安定なこと
  • 栽培技術を習得するまでに時間がかかること
  • 自分が労働の資本となるため過重労働になりやすいこと
  • 台風や大雨、地震などの自然災害による被害が避けられないこと

農業を始めることは、1つの会社を立ち上げるのと同様、もしくはそれ以上のリスクが伴います

一方で、いまは新規就農をサポートする相談窓口があり、専門家のアドバイスをいつでも受けられる環境です。

はじめ

ほかにも、マイナビ農業が主催している農林水産FESTに参加すれば、最前線で活躍する農家さんと交流できますよ。

>>マイナビ農林水産FESTをチェックしてみる

認定新規就農者の条件はなんですか?

認定新規就農者の条件は以下の表です。

対象者1:青年(18〜45歳未満)
2:特定の知識、技能を有する中高年(65歳未満)
3:上記の1と2に該当する役員が過半数の法人
要件・営農を始めて5年経過していないこと
・青年等就農計画が市町村から認定されていること

農業を始める市町村にて、青年等就農計画書が認定されれば、認定新規就農者になることができます

青年等就農計画書の申請様式や認定されるまでの流れは、>>青年等就農計画の作成・認定の流れ(農林水産省)からチェックしてみてください。

農業を始めるなら補助金を活用して営農を実現させる

農業始めるなら補助金を活用するイラスト

農業を始めるなら補助金を活用して、資金面をサポートしてもらうのも営農戦略の1つです。

農業は準備から営農開始、維持するのに常にコストが必要になります。

新規就農を目指すときは、国や地方自治体によるサポートを積極的に活用して、協力を受けながら一歩ずつ進めていきましょう。

この記事以外にも「農業での正しい除草剤の使用方法」や「キャベツ農家の仕事内容」をまとめた記事もあるので、あわせてチェックしてみてください。

はじめの野菜・花の栽培日誌

農業始めるときに利用できる補助金5選 アイキャッチイラスト

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