農業を始める前に持っておいた方が良い運転免許はある?
農業で運転免許を持っておくメリットは何かな?
農業を始める前にさまざまな運転免許を保有しておくと、次のようなメリットがあるのをご存知でしょうか。
- 農業法人への就職が有利になる
- すぐに農機具が扱える
- 業務の幅が広がる
本記事では、農業を始める前に取得しておきたい免許5選を紹介します。
農業では手仕事に加え、軽トラックやトラクター、4トン車などの車両を扱うシーンが多くあります。
農業を効率化するには、さまざまな車両が運転できることが欠かせません。
本記事を読めば、農業に必要な免許が理解でき取得する優先順位もわかるので、最後までご覧ください。
- 農業を始めるならMT(マニュアル)免許は最優先で取得する
- フォークリフトの免許は作物の積み下ろしをするのに必須
- 中型運転自動車免許を保有していると運搬や配達を任せてもらえる
- トラクターやコンバインを運転したいなら大型特殊免許を取得する
- トラクターを使って作業にはけん引免許も必要
- 農耕車限定大型特殊免許なら3万〜5万円で取得できる
ライター:相馬はじめ
- 農業法人に8年間勤務
- 現場リーダー、SNS運用担当
- 得意な作物:キャベツ・白菜・じゃがいも・米・麦・そば
【シーン別】農業で運転免許が必要になる5つシーン
ここでは免許が必要になる業務シーンを5つ紹介していきます。
軽トラックの運転
農業は軽トラックの運転が基本業務となるので、MT(マニュアル)運転免許は必須です。
軽トラックを使うシーンは、次のとおりです。
・作物の収穫
・畑、田んぼの見回り
・農機具の運搬 etc
軽トラックは高い汎用性を持ち、農業のあらゆるシーンで使われます。
軽トラックを使わない農家さんとは、会ったことがありませんよ!
たとえば、軽トラックであれば畑の中に難なく入って収穫作業をできるので、作物を運ぶ手間が削減できます。
軽トラックは業務中の移動から荷物の運搬までマルチにこなせる、車両となっています。
コンバイン・ローダーの運転
コンバインやローダーは、収穫する際に必須となる農耕車です。
米やそば、麦の収穫ではコンバインがマストになるので、大型特殊免許を持っていると業務を任せてもらえます。
また、キャベツや白菜の収穫には、ホイールローダーを使ってトラックに積み込みするのが主流です。
ローダーが運転できると畑周りを整地するときにも活躍しますよ!
農業は特殊車両を使うシーンが多いので、大型特殊免許の取得が必須になるでしょう。
畑を耕すロータリー作業
トラクターを使って畑を耕す作業(ロータリー)は、けん引免許が必要になります。
そのため、トラクターを使った作業をするには大型特殊免許に加え、けん引免許も必要になるのです。
けん引免許を持たずにロータリーをつけたトラクターを走行すると、無免許運転に該当しますよ!
けん引免許は大型特殊免許とあわせて、取得する必要があるでしょう。
作物の積み下ろし作業
畑から収穫してきた作物の荷下ろしには、フォークリフトが必須です。
フォークリフト運転技能講習修了証を取得しておけば、フォークリフトの運転・操作の基礎が身についているので、農業の現場では即戦力になれます。
フォークリフトは車種によっても操作にクセがあるので、初めて扱うときは焦らずに運転しましょう!
また、肥料や収穫用のコンテナをトラックに積み込む際も、フォークリフトは使われます。
作物の運搬・配送作業
2トン車以上のトラックが運転できると業務効率アップに貢献できるので、中型自動車運転免許は取得しておきたい免許です。
農業では収穫した作物を2トン〜8トン車で運搬することが多いため、トラックが運転できる人材を常に必要としています。
また、収穫以外にもトラクターやコンバインを畑まで運搬したり、米や麦を農協へ配送したりする業務もあります。
中型自動車運転免許を保有していると重宝されるので、農業を始める前に取得するのがオススメです。
農業法人へ就職するなら、中型自動車運転免許を取得しておきましょう!
【保存版】農業する前に取得したい運転免許5選!
農業を始める前に取得しておきたい運転免許は、次の5つです。
・MT(マニュアル)運転免許
・大型特殊免許
・けん引免許
・フォークリフト運転技能講習修了証
・中型自動車運転免許
上記の免許を取得すると業務の幅が広がり、農業で即戦力になれます。
ここでは、免許ごとに農業で必要とされる理由から、現場で使われる車両について紹介していきます。
実体験の要素も補足しながら、解説していきますよ!
MT(マニュアル)運転免許
MT(マニュアル)運転免許は、軽トラックを運転するために必要な免許です。
軽トラックにはオートマタイプもありますが、農業ではマニュアルタイプが好んで使われています。
MT免許を持っていないと軽トラックに乗れず、畑の見回りや収穫、除草作業などの基本業務ができないので、農業を始める前に取得しておきましょう。
農業は軽トラックの運転が最初の関門です!
また、農業法人への転職は、MT運転免許を保有していることが前提となっています。
費用相場:20万円〜30万円
MT(マニュアル)運転免許の費用相場は、20万〜30万円です。
MT運転免許を短期で取るなら、合宿自動車学校を利用する方法があります。
合宿自動車運転学校なら、MT運転免許が16日前後で取得できますよ!
MT運転免許を取得する過程では、車の基礎知識から運転に必要な技術まで幅広く学べるため、優先的に取得しておきたい免許です。
補足として、MT免許を一番最初に取得しておけば、大型特殊免許やけん引免許の教習期間が短縮でき、取得費用も安くなります。
大型特殊免許
大型特殊免許は、トラクターやコンバインなどの農耕車を運転するのに欠かせない免許です。
農耕車の他には、ホイールローダーやブルドーザーを運転するシーンも出てくるでしょう。
農業では大型特殊自動車に分類される車両を運転することが多いため、大型特殊免許を保有しておけば即戦力になれます。
また、大型特殊免許はMT(マニュアル)運転免許を保有していれば、学科講習をパスできるので、短期間で取得できます。
大型特殊免許を取得する前に、MT運転免許を優先して取りましょう!
費用相場:10万円〜20万円
大型特殊免許は、10万〜20万円で自動車学校や運転免許試験場で取得できます。
講習に使用される車両は、ホイールローダーや大型のフォークリフトです。
農業ではホイールローダーを使うシーンが多いので、ホイールローダーを扱う自動車学校を選ぶといいでしょう。
注意点として、大型特殊免許の教習を実施していない自動車学校もあるので、スマホで調べてから申し込んでください。
けん引免許
けん引免許は、トラクターの後ろに農機具を装着しながら走行する際に必要な免許となり、自動車学校で取得できます。
けん引免許はトレーラーを運転するのに必要なイメージがありますが、トラクターで畑を耕す際にも必須です。
トラクター単体で運転することはほぼないので、けん引免許も忘れずに取得しておきましょう。
また、けん引免許の取得では、普通免許では行われない「深視力の検査」が追加されます。
深視力の検査に引っかかることがあるので、事前にチェックしておきましょう!
費用相場:10万円〜20万円
けん引免許を取得するには、MT(マニュアル)運転免許を保有していなければなりません。
その分、学科や筆記試験はなく技能講習と見極めをクリアすれば、けん引免許は取得できます。
けん引はいつも運転する車とは操作が異なるので、新たな運転技術が必要とされます。
バックで車庫に入れる練習は、多くの人が苦戦しますよ…
また、けん引免許の講習時間は12時間と少ないため、けん引の運転に慣れない場合は補講を受けるのも1つの手段です。
フォークリフト運転技能講習修了証
農業ではフォークリフトを使って作物や肥料を荷下ろしするので、フォークリフト運転技能講習修了証を取得しておくと即戦力になれます。
フォークリフト運転技能講習修了証の講習は、4〜5日間にまとめて受けられることが多いので、一週間かからずに取得できます。
講習の流れは、次のようになります。
1日目:座学および筆記テスト
2日目〜4日目:実技および見極めの練習
5日目:見極め終了後に交付
フォークリフトの講習会では、基礎から応用まで幅広く学べるので、農業を始める前にフォークリフト運転技能講習修了証を取得しておきましょう。
作物の配達先でも、フォークリフトを使って積み下ろしする場面が多くあります!
費用相場:2万円〜4万円
フォークリフト運転技能講習修了証は、2万〜4万円で登録教習機関から認定された場所で取得することが可能です。
登録教習機関とは、国や自治体から認可を受けた教育施設です。
そのため、自動車学校のみならず物流会社の敷地内で行われることも多々あります。
農業はフォークリフトに乗る機会が多いので、あらかじめ取得しておきましょう。
中型自動車運転免許
規模が大きい農業法人では、4トン〜8トンのトラックで作物を運搬・配送します。
荷物を崩すことがないよう高い運転技術が必要となることに加え、トラクターやコンバインといった農耕車も運搬するので、安全に配慮できる運転が求められます。
農業で幅広く活躍したい人は、中型自動車運転免許をあらかじめ取得しておけば、主要ポジションが築けるでしょう。
免許を持っているだけで任される作業が増えて、やりがいも給料もアップしますよ!
また、中型自動車運転免許を取得する際にも、「深視力の検査」が追加されます。
費用相場:20万円〜30万円
中型自動車運転免許は、MT(マニュアル)運転免許を2年間以上保有することに加え、満20歳から取得できる免許です。
講習時間は学科と技能をあわせて、16時間前後となっています。
費用は20万〜30万円と高めになっていますが、扱える車両が増えるので、業務の幅が広がり費用対効果も充分ある免許です。
農業法人の会社なら給与アップの交渉材料になりますよ!
また、農業では2トン車以上のトラックが運転できる人材は貴重なので、すでに中型自動車運転免許を保有している人はアピールしましょう。
【番外編】農業に必要な運転免許を安く取得する方法!
農耕車大型特殊運転免許は、大型特殊運転免許の1/3の価格で取得できます。
トラクターやコンバインなど農耕車のみの運転を目的とした免許が、農耕車限定大型特殊免許です。
ここでは、農耕車大型特殊運転免許の取得方法や、講習内容の流れを紹介していきます。
農耕車限定大型特殊免許
農耕車大型特殊免許とは、農耕車の運転のみを許可した免許となっており、扱える車両は次の一覧です。
- トラクター
- コンバイン
- ハーベスター
- 田植え機
- ハイクリブーム etc
農耕車限定大型特殊免許を取得すれば、農業で必要とされる農耕車すべて運転できるようになります。
農耕車大型特殊免許を取得するステップは、次のとおりです。
ステップ1
各都道府県にある農業大学へ申し込む
ステップ2
5日間かけて学科・技能の講習を受けて、見極めに合格する
ステップ3
運転免許センターで免許を書き換えして完了
5日間と短期間で取得できますが連日開催するので、仕事がある人はまとまった休みが必要です。
有給を使って取る人も多くいますよ!
また、農耕車大型特殊免許の申し込みには、定員が設けられており人数が多い場合では抽選となるので、当選しなかった場合は次の募集を待たなければいけません。
農耕車限定大型特殊免許に興味がある人は、自身が住む県や自治体のホームページをチェックして、開催しているかを調べてみましょう。
費用相場:3万円〜5万円
農耕車大型特殊免許の費用相場は、3万〜5万円と安く取得できるのがポイントです。
講習内容では農業の現場に関することがベースとなっているので、農業を始める人にも学びが多い講習会といえます。
農業や農家に携わっている人たちが多く集まるので、交流のキッカケも生まれます。
作物の栽培方法や農業のあるあるなど、面白い話しがたくさん聞けますよ!
費用をかけずに免許を取得したい方は、農耕車限定大型特殊免許をチェックしてみましょう。
【まとめ】農業を始めたい人は運転免許を取得しておこう!
今回は、農業を始める前に取得しておきたい運転免許について紹介しました。
農業では手作業に加え運転が必要になる業務が多いので、今回紹介した5つの免許を保有していれば即戦力となれます。
何も免許を保有していないのであれば、MT(マニュアル)免許を優先して取得するのがオススメです。
農業の「足」となる軽トラックが運転できると、収穫や畑管理などさまざまな場面ですぐに活躍できます。
農業を始めたいと考えている人は、今回紹介した免許を押さえて自分に必要なスキルを習得してみましょう。