農はじちゃん農薬は種類がたくさんあって選ぶのが難しい…



正直なところ、間違いなしの資材を知りたい…
家庭菜園の病害虫は、以下4つの農薬を備えておけば対策OKです。
| 名前 | ポイント |
|---|---|
| サンケイ ダイアジノン粒剤3 | 土の中の害虫 |
| GF オルトラン粒剤 | 生育初期の害虫 |
| ベニカXネクスト | 幅広い害虫+病気 |
| カダンベジMAX | 害虫+病気 抵抗性にも |
なにげなく始めた家庭菜園。
興味あった野菜を育ててみるも、ナゾの病気や虫にやられて、ぜんぜん収穫できなかった……。
いざホームセンターに行くも、棚にはいろんな農薬の商品があって、「どれを選べばいいの」と、なにも買わずに帰宅なんてこともザラですよね。
もう家庭菜園の農薬選びに悩む必要はありません。



おすすめ農薬の特徴や、使うときのコツ、注意点などについても解説していきます。


ライター:相馬はじめ
- 元農家
- 農業法人に8年間勤務
- 役職:現場リーダー
- 作物:キャベツ・白菜・馬鈴薯・長ネギ・レタス・米・麦・そば
【完結】家庭菜園におすすめ農薬4選
「農薬は使ってみたいけれど、種類が多くて何を選べばいいか分からない」
——そんな声を元に、家庭菜園で扱いやすい・間違いなしの農薬を4つ厳選しました。
| 名前 | 使いどき | 効果 |
|---|---|---|
| サンケイ ダイアジノン粒剤3 | 植え付け前 | 土の中の害虫(ネキリムシ・コガネムシ幼虫など)を予防 |
| GF オルトラン粒剤 | 定植時 | 生育初期の害虫(アブラムシ・アオムシ・ヨトウムシなど)を予防 |
| ベニカXネクスト | 害虫・病気が 出はじめたら | 害虫退治と病気対応を一本で(うどんこ病など) |
| カダンベジMAX | シーズン後半 使い分け | 系統違いの成分で、効きにくくなった害虫にも対応 |
ここでは上記の資材がなぜおすすめなのか、それぞれお伝えしていきます。
サンケイダイアジノン粒剤3|土に混ぜ込むだけ


サンケイダイアジノン粒剤3は、植え付け前の土へ混ぜるだけで、ネキリムシやコガネムシの幼虫などから、苗を守ってくれる粒剤の農薬です。
土に混ぜ込まれた粒は、害虫が食べたり触れたりすることで効果を発揮。



植える前のひと手間で守りの土台ができます。
トマトやナスはもちろん、キュウリやカボチャなどまで幅広くカバー。
「植えた苗が倒れてる…」という被害を防ぐ一手として、取り入れておきましょう。
適用作物・病害虫一覧(タップで開く)
| 作物名 | 適用害虫名 |
|---|---|
|
レタス キャベツ カリフラワー ブロッコリー トマト ピーマン トウガラシ類 ナス |
ケラ ネキリムシ類 コガネムシ類幼虫 |
|
キュウリ スイカ メロン カボチャ |
ケラ タネバエ ネキリムシ類 ウリハムシ幼虫 コガネムシ類幼虫 |
|
ネギ ワケギ アサツキ |
タネバエ コガネムシ類幼虫 |
| タマネギ |
ケラ コオロギ タネバエ タマネギバエ コガネムシ類幼虫 |
| ハクサイ |
ケラ ネキリムシ類 コガネムシ類幼虫 |
|
ダイコン ハツカダイコン |
ケラ タネバエ ネキリムシ類 コガネムシ類幼虫 |
| 豆類(種実) |
ケラ タネバエ コガネムシ類幼虫 |
| サツマイモ |
ケラ ネキリムシ類 コガネムシ類幼虫 |
| ジャガイモ |
ケラ ネキリムシ類 |
GFオルトラン粒剤|株元にまくだけ


GFオルトラン粒剤は、植え穴や株元にまくだけ効果を発揮してくれる手軽な農薬です。
アブラムシやアオムシ、ヨトウムシなど、家庭菜園で頭を悩ます害虫をやっつけてくれます。
仕組みとしては、作物の根から有効成分を吸収させることで、植物全体に行き渡ります。そして、その葉や茎を食べたり、汁を吸ったりした害虫の中に成分が入ることで効果が現れます。



葉の裏や見えにくい場所にひそむ害虫にも、効果が届きやすいのもメリット。
効果はまいてから2〜3週間ほど持続するので、まさに苗の初期生育を守る護衛隊です。
適用作物・病害虫一覧(タップで開く)
| 作物名 | 適用害虫名 |
|---|---|
|
キュウリ ナス |
アブラムシ類 アザミウマ類 オンシツコナジラミ ネキリムシ類 |
| トマト |
ネキリムシ類 アブラムシ類 オンシツコナジラミ |
| キャベツ |
アオムシ コナガ ヨトウムシ ネキリムシ類 アブラムシ類 アザミウマ類 |
| ハクサイ |
アオムシ コナガ ヨトウムシ ネキリムシ類 アブラムシ類 |
|
ナバナ類 オクラ ジャガイモ |
アブラムシ類 |
|
コマツナ カブ |
アブラムシ類 ネキリムシ類 |
| ブロッコリー |
アオムシ ヨトウムシ ネキリムシ類 アザミウマ類 |
| ダイコン |
コナガ アオムシ アブラムシ類 |
| エダマメ | ハスモンヨトウ |
ベニカXネクストスプレー|1本で殺虫・殺菌をこなすスゴいヤツ


ベニカXネクストスプレーは、害虫退治と病気予防を1本でこなすスプレー剤です。
5つの成分の組み合わせにより、薬が効きにくくなった害虫や、退治しづらい大きな幼虫、うどんこ病にも対応。



薄める手間なくスグ使えるのが便利すぎ…。
対象となる作物は、トマトやナス、キャベツ、白菜など多品目。
アブラムシやヨトウムシ、うどんこ病が出はじめたら、葉の裏まで届くように吹きつけます。
ノズルは切り替え式で、拡散と一点集中を選べるのもポイント。
ベニカXネクストがあれば、害虫用・病気用と、薬を別々に用意することなく、1本でまかなえます。
適用作物・病害虫一覧(タップで開く)
| 作物名 | 適用病害虫名 |
|---|---|
| トマト |
オオタバコガ コナジラミ類 うどんこ病 |
| ミニトマト |
オオタバコガ コナジラミ類 |
| キュウリ |
ウリハムシ アブラムシ類 うどんこ病 |
| ナス |
ハダニ類 ハスモンヨトウ オオタバコガ アブラムシ類 ハモグリバエ類 テントウムシダマシ類 うどんこ病 |
|
メロン リーフレタス |
アブラムシ類 |
| キャベツ |
アオムシ コナガ ハスモンヨトウ オオタバコガ 菌核病 |
| ハクサイ | アオムシ |
| レタス |
ハスモンヨトウ アブラムシ類 |
カダンベジMAX|シーズン後半を支える次世代スプレー


カダンベジMAXは、ボロボロになりがちな夏野菜のシーズン後半を支えてくれる、新しいタイプの殺虫・殺菌スプレーです。
家庭園芸でよく使われてきた薬剤とは異なる成分の配合により、同じ系統の薬を続けて使ったときに起きる“効きにくさ”を回避できるのが特長です。
とくに、スプレー剤のベニカXネクストとカダンベジMAXは有効成分が重ならないので、この2本を用いれば、農家さながらの“ローテーション防除”を再現できます。



長く収穫したいなら常備しておきたい1本です。
適用作物・病害虫一覧(タップで開く)
| 作物名 | 適用病害虫名 |
|---|---|
|
トマト ミニトマト |
アブラムシ類 オオタバコガ コナジラミ類 |
|
レタス 非結球レタス |
アブラムシ類 ハスモンヨトウ |
|
エダマメ サヤエンドウ アズキ ニガウリ スイカ |
アブラムシ類 |
| キュウリ |
アブラムシ類 ウドンコ病 褐斑病 |
| ナス |
アブラムシ類 ウドンコ病 |
| イチゴ | ウドンコ病 |
| ハクサイ | アオムシ |
| キャベツ |
アオムシ コナガ ウワバ類 |
| ピーマン |
アブラムシ類 オオタバコガ |
| メロン |
アブラムシ類 コナジラミ類 |
| ブロッコリー |
ハイマダラノメイガ ハスモンヨトウ |
| ネギ | サビ病 |
家庭菜園で備えても損しない農薬2選
家庭菜園では先に紹介した4つの農薬で、植え付けから収穫まで病害虫に対し、おおまかにはカバーできます。ただ、家庭菜園を続けていると「少し手薄」という場面もあります。
ここでは、スーパーサブとなる2つの資材を紹介します。
GFワイドヒッター|べと病・疫病に備える殺菌剤


GFワイドヒッターは、梅雨の時期に出やすい「べと病」や「疫病」に備えられる殺菌剤です。どちらもカビの仲間が原因の病気で、ここまで紹介した4選では手薄になりがちな部分。
作用の違う2種類の殺菌成分を配合し、葉に染み込んで雨に流れにくく、効きめが長く続きます。



梅雨は病気が一気に広がる季節。予防の一吹きが活きてきます。
一方ワイドヒッターは、そのまま使える粒剤やスプレー剤ではなく、溶かして使うタイプ。
なので、噴霧器(容量1リットル以上が目安)が必要。(厳選に入れなかった理由でもあるんです……。)


ただ、噴霧器は数百円〜数千円と手に入れやすく、1つあるだけでも葉面散布などのシーンでも活躍するので、持っておいて損しません。
野菜たちの病気を予防するなら、ワイドヒッターと噴霧器はセットで購入しておくのがおすすめです。
適用作物・病害虫一覧(タップで開く)
| 作物名 | 適用病害名 |
|---|---|
|
トマト ミニトマト |
葉かび病 疫病 |
| キュウリ |
べと病 褐斑病 うどんこ病 黒星病 |
| ナス |
褐色腐敗病 すすかび病 |
| タマネギ |
べと病 白色疫病 灰色かび病 |
| ネギ |
べと病 葉枯病 |
| ラッキョウ | 白色疫病 |
| アスパラガス | 疫病 |
| ジャガイモ | 夏疫病 |
| ハクサイ |
べと病 白さび病 黒斑病 白斑病 |
| スイカ |
褐色腐敗病 炭疽病 |
| メロン |
べと病 つる枯病 |
| カボチャ |
べと病 疫病 うどんこ病 |
|
キャベツ ブロッコリー |
べと病 |
スラゴ|ナメクジ・カタツムリを見つけたら早めに対策


ナメクジやカタツムリによる食害を防除するなら、スラゴ一択です。
スラゴを食べたナメクジやカタツムリは、その作用により作物を食べなくなり、しだいに弱って数日で死します。
彼らは、葉や実をかじるだけでなく、這った跡や粘液で作物を汚す厄介者です。雨の多い時期や湿った場所で活発になり、放っておくと被害が広がります。
食害や這い跡を見つけたら、早めにスラゴを作物の周りや株元の土にまいておきましょう。



スラゴの有効成分は自然界にも広くあるリン酸第二鉄。有機栽培にも認可された薬剤です。
またスラゴは、ホームセンター等で見当たらないケースもあります。そのため、ネットで購入するほうがムダ足を踏まずにすみます。
適用作物・病害虫一覧(タップで開く)
| 作物名 | 病害虫 |
|---|---|
| すべての農作物 |
ナメクジ類 カタツムリ類 アフリカマイマイ ヒメリンゴマイマイ |
知っておきたい、家庭菜園で農薬を使うときのコツ


優れた農薬を手にしていても、効果は扱い方で大きく変わります。逆にいえば、ほんの少しのコツを知ることで、より頼もしいパートナーになります。
ここでは、家庭菜園ですぐ実践できる基本のコツを紹介します。
スプレー剤は使う前によく振る
スプレー剤を使う前は、ボトルをしっかり振ってから散布します。
保管中に成分が沈殿したり、液が均一でなくなったりする場合があるためです。そのまま使うと、最初と最後で成分の濃さに差が出る可能性もあります。



散布前のひと振りは、薬剤を本来の状態で使うための大事な準備です。
ラベルにも「よく振る」とある製品は、毎回忘れずに行いましょう。
表3割:裏7割で散布する


農薬散布では、葉の表面だけでなく裏面まで届かせることが重要です。
アブラムシやコナジラミなどの害虫は、葉裏に集まりやすく、表だけでは薬液が十分に当たりません。



表3割・裏7割を目安に散布します。
ベニカXネクストやカダンベジMAXのようなスプレー剤も、葉の表裏へむらなくかけるのが基本です。
数回吹きかけるだけで終えず、葉先から液が滴り落ちるくらいを意識して、作物全体へ行き渡らせてください。
風の弱い日をねらう
農薬をまくときは、できるだけ風のない日や時間帯を選びましょう。
風が強いと薬剤が飛び散り、狙った株にちゃんとかからないうえに、周りの作物や隣近所の庭にまで飛散するおそれがあります。
早く乾いてしまうと、効果を十分に引き出せないことにもつながります。



とはいえ、毎日の風を正確に見極めるのは難しいもの。
そこで便利なのが、農業向けの天気アプリです。
風の強さや散布に向く日を前もって確認でき、計画が立てやすくなります。
なかには30日先まで見られるアプリもあるので、散布日を決めるときの参考になります。


同じ薬(系統)を続けて使わない


作物を防除するコツには、「同じタイプ(系統)の薬を続けて使わない」があります。
ずっと同じタイプの薬を使い続けると、たまたま生き残った“その薬に強い虫”が少しずつ増え、だんだん効かなくなるという構図になるんです。
あわせて注意したいのは、商品名やメーカーが違っても“同じ系統の薬”があること。



見た目の違う2本が、虫にとっては同じ薬というケースは多々あります。
その点、本記事で紹介している資材は、ほとんど薬の系統が重なっていません。
なかでもスプレー剤のベニカXネクストとカダンベジMAXは、どちらも複数の成分を組み合わせた万能型でありながら、お互いの成分はまったく被っていません。



この2本を使い分けるだけで、自然とローテーションが成り立ちます。
粒剤のダイアジノンとオルトランは同じ有機リン系ですが、使う時期も狙う害虫も違うため、家庭菜園では無理なく組み合わせられる構成です。
コラム|月を味方につけてみる


虫退治は薬の種類だけでなく、まくタイミングも大事。実は農家さんの間には、月の満ち欠けを目安にする考え方があります。
満月や新月の前後は虫が産卵しやすく、数日後に孵化するといわれ、殻に守られた卵より、生まれたての弱い幼虫を狙うほうが効く──とくに満月の3〜5日後が好機、というわけです。
海のサンゴやクサフグが月のリズムで産卵するのは、科学でも知られた話。
家庭菜園もプロ農家も同じ|農薬を使うときに気をつけること


農薬は、ルールを守って使えば心強い味方です。そして大事なのは、そのルールは家庭菜園でもプロ農家でもまったく同じだということ。
押さえれば必要以上に身構えなくて大丈夫なポイントについてお伝えします。
長袖・長ズボン・帽子・手袋・マスクで身を守る
農薬を使うときは、肌の露出を抑えた服装かつマスクを着用しましょう。
製品はラベルどおりに使えば過度に恐れるものではありませんが、薬剤を吸い込んだり、直接肌についたりするのは別の話。これを防ぐ格好をするだけで、安心して作業ができます。



農家がしっかり着込んでいるのには、ちゃんと理由があります。
具体的には、長袖・長ズボン・帽子・手袋・マスクが基本装備です。
半袖や短パン、サンダルでの散布は控えましょう。肌を出していると、薬剤だけでなく虫さされや日焼けのリスクも高まります。
散布し終えたら、手洗いとうがいも忘れずに。
使えるのは登録された作物だけ|公式サイトもチェック


農薬のパッケージやラベルには、必ず「使える作物」が書かれています。
これは堅苦しい決まりごとではなく「この野菜に、この使い方なら、収穫物を安心して食べられる」と、実際に検査で確かめられた作物の一覧です。
裏を返せば、書いていない作物に使うと、残る薬の量も、効き目も、作物が傷まないかも、まだ誰も確かめていない未知の状態になります。



「自分で食べるだけならいい」と思いがちですが、守るルールはプロ農家と同じ。
販売しない家庭菜園でも同じで、登録された作物以外への使用は農薬取締法で禁じられ、違反には罰則もあります。
参考:大阪府「農薬取締法について」
さらに、作物の登録内容は更新されることがあるため、メーカーの公式サイトなどで、最新を確認するとより安心です。
収穫の“何日前まで”を守る
農薬をまく前に、もう一つ確認したいのが「最後にまいてから収穫まで、何日あけるか」です。
これは「収穫前日数」と呼ばれ、作物ごとに「収穫の○日前まで」と決められています。
日数は製品・作物によって違い、ラベルの「使用時期」欄に書かれています。たとえば「収穫7日前まで」なら、収穫予定日から数えて7日前より後にはまかない、ということ。
口に入るころには薬剤が十分減っているように設定された日数なので、守れば安心して食べられます。
間違えやすいのが「収穫前日まで」の表示。これは“収穫の24時間以上前まで”という意味で、夕方まいて翌朝とるのはNG。



「日付が変わればOK」ではありません。
まく前には、収穫予定とラベルの日数をチェックして、余裕をもって散布しましょう。
雨や雨上がり直後は避ける


農薬をまくなら、雨の日とその直後は避けましょう。
降っている最中にまいても雨で流され、ほぼ無意味。雨上がりの直後も、葉に水滴が残っていると散布液が薄まって流れ落ちやすく、葉に十分とどまらないため、効きめが出にくくなります。



雨上がりなら、葉や土が乾いてからにしましょう。
タイミングを見極めて、本来の効能を発揮させましょう。
農薬を頼る前に…家庭菜園でも知っておいてほしいこと


ここまでおすすめの農薬や使い方のコツ、注意点を見てきましたが、いちばんの基本は「農薬にできるだけ頼らずに済む畑をつくること」です。
ここでは、家庭菜園だからこそ抑えておくべき、作物を育てるときの考え方を解説していきます。
病害虫を呼び寄せない環境づくり
農薬は、作物を守るための数ある手段のひとつにすぎません。それ以上に大切なのが、病害虫が来にくい環境を整えること。
雑草の放置、株が混み合って風が通らない状態、水はけの悪さなどは、害虫のすみかや病気の温床になります。
やることは特別ではありません。家庭菜園まわりのこまめな草取りや、作物に適した畝間や高さを整える、防虫ネットで害虫の侵入を物理的に防ぐなどなど。



薬だけに頼らず、いくつもの手を組み合わせる考え方は「総合防除(IPM)」と呼ばれ、国も推進しています。
農薬は手間も費用もかかる資材ということを前提に、まずは病害虫を寄せ付けない環境づくりから意識してみましょう。
日々の観察と捕殺


いちばん頼りになるのは、特別な道具ではなく「あなたの目」です。できるだけこまめに、作物を間近で見てあげましょう。
葉の色や形の変化、虫が棲みついていないかを早く見つけられれば、それだけ早く手を打てます。被害は、小さいうちほど対処もラクです。
毎日のように見ていると、「いつもと違う」に気づけるようになります。



観察そのものが、いちばん身近な防除なんです。
虫を見つけたら、手で取り除く「捕殺」もかなり有効。数が少ないうちなら、これだけで十分おさえられることも少なくありません。
テープや割り箸を使えば、触らずに処理できます。
そのうえで、手に負えないほど増えてしまったときには、この記事で紹介した農薬を活用する——この順番が、作物にも環境にもやさしい付き合い方です。
保管と使い終わった後の処分
農薬は、保管と使い終わった後の扱い方も大切です。
保管は、直射日光を避けた涼しい場所を選ぶことに加え、飲食物やペットのエサと分けて、子どもの手の届かない所へ置きましょう。



残った薬液を水道や川に捨てるのは絶対にNG。
空になった容器は水でよく洗い、自治体のルールに従って処分してください。
また、農薬には使用期限(有効年月)があるので、過ぎたものは使いません。
余ったり古くなったりした分は、流す・埋めるはせず、自治体やJA、購入したお店にまず相談しましょう。
正しく保管・後始末すれば、誤飲や事故、周りへの影響を防げて、安心して使えます。
家庭菜園で使う農薬によくある質問
農薬を使うタイミングは病害虫がきてから?その前?


農薬の散布は「病害虫が出てから」よりも、早めに動くのが基本です。
病気はかかる前の予防、害虫は薬の種類しだいですが、どちらも早いほど薬は少なく、被害は浅く済みます。
というのも、病気は一度かかると元には戻らず、薬をまいても広がりを止めるだけ。虫も、広がってからでは手数も薬の量も増えてしまうからです。
たとえば病気なら、多くの病原菌は雨をきっかけに動き出すので、梅雨など雨の前に予防剤でバリアを張ります。
虫なら、葉に直接かけるスプレーは「見つけたら」、土に混ぜて吸わせる粒剤は「植え付け時」に前もって、と使い方が分かれます。



「前か後か」で迷ったら、ラベルの「使用時期」欄(発生前・発生初期…)を確認してみてください。
製品自身が、まくべきタイミングを教えてくれます。
登録品目にある「〇〇類」が分かりにくい…具体的にはどの作物まで指しているの?


ラベルの「○○類」は、性質の似た作物をまとめた“作物群”の名前です。
たとえば豆類。「豆類(未成熟)」にはエダマメ・サヤインゲン・サヤエンドウなどが含まれるので、「豆類(未成熟)」に登録のある薬は、これらにまとめて使えます。
ただ注意したいのが、同じ「豆類」でも「未成熟」と「種実」は別のグループだということ。熟した豆を収穫するダイズ・アズキなどは「豆類(種実)」です。
2019年7月以降、似た作物をまとめた「作物群」での登録が進められるようになりました。その群に登録があれば、含まれる作物には名前が個別に書かれていなくても使える、というのが基本ルールです。
「○○類」に自分の野菜が含まれるかを正確に知りたいときは、農林水産省の「作物分類ページ」からカンタンにチェックできます。
家庭菜園にこそ農薬を一つの選択肢に。


農薬は、病害虫から作物を守るための心強い手段です。ただし、やみくもに使うものではありません。大切なのは、それぞれの資材の得意分野を知り、適した場面で使うこと。
今回紹介した資材も、土に混ぜて先回りで守るもの、見つけてから退治するもの、雨の季節の病気に備えるものと、役割はさまざまです。
日々の観察や捕殺、病害虫を寄せ付けない環境づくりと並行しながら、上手く農薬を活用してみてください。
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