みなさんは毎年の「土壌消毒」、どうしていますか?
去年病気が出たから、今年も全面消毒しておこう
隣の畑がやってるから、念のためウチも……
その「なんとなく消毒」で、10アールあたり数万円のコストをドブに捨てているとしたら……ゾッとしませんか?
農はじちゃんえっ!?病気が出たら怖いし、消毒はお守りだと思って毎年やってるよ?やらないと全滅しちゃうんじゃ……



その気持ちすごく分かります。でも人間に置き換えて考えてみてください。風邪もひいていないのに、予防のために毎日高い風薬を飲み続けるって、おかしくないですか?



それは……お金のムダだし、体にも悪そう……



ですよね。実は土壌も同じなんです。 土の状態を検査して、「ここは元気だから薬なし」「ここは危ないから消毒」と分ける。それが今回紹介する次世代の管理技術『ヘソディム』です。
この記事では難しい専門用語は抜きにして、ヘソディムの概要や方法、事例を紹介します。


ライター:相馬はじめ
- 元農家
- 農業法人に8年間勤務
- 現場リーダー
- 経験作物:キャベツ・白菜・じゃがいも・米・麦・そば
ヘソディムの正体は「土の健康診断(人間ドック)」





ヘソディム……? なんだか呪文みたいな名前で難しそう……。



確かに呪文みたいですね(笑)。ヘソディムは簡単に言うと『土バージョンの人間ドック』のこと。 人間もまずはどこが悪いかを調べてから薬を飲みますよね?それを「畑でもやろう!」という技術なんです。
これまで私たちは、畑の土が健康かどうかも分からずに、「とりあえず全員入院! 全面土壌消毒」という乱暴な治療をしていました。これではお金もかかるし、健康な土まで傷めてしまいます。
ヘソディムの目的はシンプル。健康な畑には薬を使わず、危ない畑だけを徹底的に治す。
そのために、以下の3ステップを行います。
誰でも分かるヘソディムの3ステップ
ヘソディムは「診断・評価・対策」の3ステップで行います。
ステップ1:診断
まずは土の状態を知ることからスタートします。
土を採取して病原菌の数を調べたり、土のpHや水はけ、過去の病気履歴などをチェックしたりします。



人間でいう採血や問診と同じですね。
ステップ2:評価
検査結果を見て、その畑がどれくらい病気になりやすいか、医師(専門家やAI)が判定します。 基本は以下の3レベルに分けられます。
- レベル1(健康):心配なし。健康優良児な畑
- レベル2(予備軍):油断すると病気ができるかも。メタボ気味な畑
- レベル3(危険):病気リスク大。即入院レベルの畑
注意点として、上記のレベル分けは「いつ」「どの程度」病気が発生するかを予測するものではありません。



あくまで「この圃場は病気になりやすい状態にあるか」を判断する材料として認識することが重要です。
ステップ3:対策
最後に、判定されたレベルに合った対策法を選びます。
レベル1:高い消毒はナシ。安い資材や栽培工夫だけでOK。→コスト減
レベル3:ここはケチらず土壌消毒で徹底的に叩く。→作物の全滅を防ぐ
これまで一律で行っていた高コストな土壌消毒を、レベル3の危険な畑だけに絞り、逆にレベル1の畑は、簡単な予防ケアだけに切り替えることが可能になります。



ヘソディムは、必要な場所に必要な分だけの対策を行える画期的な技術です。
勘には頼らない。科学の目で見る2つの検査


ヘソディムの優れたところは、農家の長年の勘ではなく、数値化されたデータで客観的に判断できることです。 具体的には、以下の2つの方法で土の健康状態をチェックします。
DRC診断:土の基礎体力チェック
DRC診断なんて難しい名前ですが、要するに「その畑がもともと持っている『免疫力』を調べるテスト」です。



人間でも風邪を引きやすい人と、全然引かない人がいますよね?土も同じなんです。
チェックする手段としては、ポット(鉢)に入れた土にわざと菌を入れてみて、「病気を跳ね返す力があるか(発病しにくいか)」をテストします。
上記のようにDRC診断では、畑ごとの体質を見極めます。
DNA/微生物相診断:目に見えない病原菌と微生物のチェック
土壌病害の怖いところは、敵(病原菌)が目に見えないことです。
そこでヘソディムでは、最新のDNA検査技術を使って、土の中に潜んでいる敵の数を正確にカウントします。
病原菌の量:悪さをするウイルスやカビがどれくらいいるか?
微生物のバランス:良い菌(善玉菌)とのバランスは取れているか?
例えばレタスの病気(ビッグベイン病)などでは、土の中に「ウイルスが何匹いるか」レベルで正確に測定し、リスクを判定します。



見えない敵を「見える化」することで、無駄のない対策が打てるようになります。
ヘソディムのメリット:リスクレベルでコストをカット


ヘソディムがこれまでのやり方と決定的に違うのは、コストカットに直結している点です。
これまでの常識(カレンダー防除など)では、「念のため、病気が出ていなくても全員消毒!」という、いわば過剰な保険にお金を払い続けていました。



これでは売上が上がっても手元にお金が残りません。
ヘソディムなら事前にリスクを調べることで、ムダな薬剤費と消毒にかかる重労働をカット。このことこそがヘソディムを活用すべきポイントです。
【レベル別】対策の使い分け
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| レベル (リスク) |
作戦モード | 具体的なアクション | コスト |
|---|---|---|---|
|
レベル1 (安全) |
【節約モード】 高い農薬は使わない。 基礎体力をつける。 |
・有機資材で土作り ・酸度(pH)の調整 ・発病株の抜き取りのみ |
¥ 安い |
|
レベル2 (注意) |
【予防モード】 化学農薬は最小限。 品種の力でカバー。 |
・病気に強い品種を選ぶ ・予防薬を少し使う ・対抗植物(エンバク等) |
¥¥ 普通 |
|
レベル3 (危険) |
【全力モード】 背に腹は代えられない。 徹底的に叩く。 |
・土壌消毒剤(くん蒸) ・作物を変える(輪作) ・抵抗性品種の導入 |
¥¥¥ 高い |
【レベル1】微生物農薬が主役に化ける
「微生物資材や有機資材なんて気休めでしょ?」などと、思うことありますよね。
ただそのように感じる背景には、これまで「レベル3」の畑に使っていたから効いていなかったという可能性が否定できません。
ヘソディムで「レベル1」と診断された畑なら、作用が穏やかな微生物農薬(例:ミニタンWGなど)でも、十分に病気を抑え込めます。



人間でいうなら、風邪のひき始めに「漢方薬」や「生姜湯」で治すイメージ。
わざわざ強い抗生物質を飲まなくても、十分対応できることが分かっています。
【レベル2】高い消毒を使わずに「予防」で逃げ切る
「レベル2」と診断された畑では、コストのかかる土壌消毒を使わずに乗り切る工夫でも対応できます。たとえば、以下のような合わせ技で対応します。
・環境を変える
水はけを良くしたり、酸度(pH)を調整して、菌が嫌がる環境を作る。
・予防薬を使う
防的な薬(ペンチオピラド水和剤など)で先手を打つ。
・植物の力を借りる
「エンバク」などの対抗植物を植えて、土の中をクリーニングする。
上記のように、手持ちのカードをうまく組み合わせることで、高コストな土壌消毒への依存から脱却できる道がひらけます。
検査をもっと手軽に。ヘソディムのこだわり


いくら素晴らしい診断技術でも、検査料が高すぎたり、結果が出るのに何ヶ月もかかったりしては意味がありません。
研究チームは「全国の農家さんに使ってもらいたい」 の一心で、徹底的なコストダウンと時短に取り組みました。



特にハードルが高かったのが、土の免疫力を調べるDRC診断でした。
以前のDRC診断では、大量の土と広いスペースが必要で、研究所レベルでしか行えませんでした。
しかし現在は次のような改良により、誰もが利用できる状況になりつつあります。
【実例】土の量が半分以下に。(アブラナ科根こぶ病)
アブラナ科の天敵「根こぶ病」の検査では、以下のような改良が行われました。
アブラナ科根こぶ病における画期的な改善


ポットの小型化
診断に使う鉢の大きさを、元の直径11.5cmから直径8.5cmへと小さくしました。これにより、診断に必要なスペースが節約されました。
土の量60%カット
ポットが小さくなったことで、検査に必要な土の量が800gから300gへと激減しました。 たった数百グラムの違いと思うかもしれませんが、何十箇所も検査する場合、土を採って送る送料や、検査後の残土処理の手間が半分以下になります。
検査期間の短縮
調べるのにかかる栽培期間を5週間から4週間へと1週間短縮する体制を整えました。※人工気象室を使うことが条件。
上記のようにヘソディムは、誰もが利用できる方法にするための改良と改善が、今も着々と進められているのです。
ヘソディムの対応作物は拡大中。
ヘソディムは、今も現在進行系で進化しています。



キャベツやレタスだけではありません。
最新の研究では、もっと幅広い作物や、土の中のディープな世界まで覗けるようになっています。
【スピード勝負】ベビーリーフなどの短期作物もOK
ベビーリーフやコマツナのように、種まきから収穫までが短い(20〜30日)作物で病気が出ると、検査結果を待っている間に収穫が終わってしまいますよね。
一方でベビーリーフの天敵「リゾクトニア菌」などは、種まきから判定までわずか6日間というスピード診断が可能になりました。。



コマツナやビート、ルッコラなど回転の早い作物でも、作付け前の短い期間で診断できます。
土の中の菌のバランスを丸裸にするDNA検査
土の中には、良い菌も悪い菌もごちゃ混ぜで暮らしています。
そしてこれまでの検査(培養法)では、シャーレ(透明なお皿)で育てやすい一部の菌しか見つけられず、土の本当の姿の「1%」も見えていませんでした。
そこで登場したのが、「PCR-DGGE法」という最新のDNA検査です。
PCR-DGGE法は、土から直接DNAを取り出すので、培養できない菌も含めて「土の中にどんな菌が、どんなバランスで住んでいるか」をありのままに観察できます。



人間でいう腸内フローラ検査の土壌版です。
研究用ではなく「現場用」だから安くできる
「そんなDNA検査には費用がかかる」 と思いますよね。もちろん、研究用の最高品質なデータを出そうとすると高額になります。
しかし私たちが知りたいのは「論文に書けるデータ」ではなく、「明日この畑を使っていいかどうか」です。
そこでヘソディムでは、あえて「現場仕様のコストダウン」を徹底しました。
高いキットを使わない:安価な試薬に置き換え
手間を減らす:解析ステップを簡略化して人件費カット
100点満点の超精密データではなく、現場で使える合格ラインのデータを安く提供する。



この割り切りこそが、ヘソディムが現場で普及し始めている理由です。
ヘソディム専用アプリ「HeSo+(ヘソプラス)」経験と勘をAIがサポート


ヘソディムが目指す「圃場ごとの健康診断と対策」を実践するには、専門的な知識や経験が必要です。
しかし現場ではベテランの指導者が減っており、すべての圃場を細かく見て回るのが難しくなっているのが現状です。
そこで「誰でも・どこでも」ヘソディムの考え方を実行できるように開発されたのが、AIを活用した専用アプリ「HeSo+(ヘソプラス)」です
AIが圃場の病気リスクを自動で「色分け診断」
HeSo+は、複雑な診断結果や対策を、直感的にわかりやすく伝えることに特化したアプリです。



スマホやタブレットの画面を見るだけで、どの畑が危険な状態かがひと目でわかります。
AI診断の仕組みと「色による見える化」
使い方はシンプルです。
土壌の性質や前作の状況といった「診断データ」をアプリに入力するだけ。するとAIがその圃場に最適な計算式を自動で選び出し、病気が発生しやすいかどうかを診断します。
最大の特徴は、診断結果がマップ上で色分け表示される点です。
- 青:レベル1(リスク低)
- 黄:レベル2(リスク中)
- 赤:レベル3(リスク高)
地図上で色分けされるため、多くの圃場を管理している場合でも、「どの畑が危険か」「どこから優先して作業すべきか」が一目で把握でき、効率的な対策が可能になります。
診断の「確信度」と全病害への対応
AIの診断結果には、その判定にどれくらい自信があるかを示す自信度が「★の数」で表示されます。これにより利用者は、AIの結果を鵜呑みにするのではなく、判断の目安として活用できます。
またAI診断には「過去の膨大なデータが必要」という特性があり、データの少ないマイナーな病害には対応しにくいという弱点がありました。そこで2023年2月、データ数に関係なくすべての土壌病害に対応できる新機能「HeSo+EX」が追加されました。
「HeSo+EX」で記録を未来の対策へ
ヘソディムには、「データが少なくても、まずは暫定的なマニュアル(ver.1.0)を作って対策を始めよう」という基本理念があります。



「HeSo+EX」は、まさにこのマニュアル機能をアプリ化したものです。
HeSo+EXなら、AIによる自動診断が難しい病害であっても、手入力で診断・対策を行うことが可能です。
そして最大のアドバンテージは、すべての診断・対策記録がアプリ内に蓄積されること
過去の記録を振り返りながら対策を立てられるため、使えば使うほど「圃場のカルテ」として頼れる資産として育ちます。
農家と指導員をつなぐ「話し合いのツール」


HeSo+の役割は、単にAIが診断結果を出すだけではありません。
農家と指導員がスムーズに話し合い、納得して対策を決めるためのコミュニケーションツールとしての機能を持っています。



実際にHeSo+の画面を資料として、話し合うことで、「どのような対策をとるべきか」という合意形成がスムーズに進んだという現場の声も報告されています。
HeSo+利用時の注意点
HeSo+を効果的に使うためには、AIのクセを理解しておくことが大切です。
HeSo+の診断は、膨大なデータの中から「この条件の時は病気になりやすい」というデータ間の関係性を示したものです。



「なぜ病気になったか」という原因を断定するものではありません。
AIの性能は、入力されたデータの質や量に左右されます。
AIの結果を鵜呑みにするのではなく、あくまで判断材料の一つとして捉え、最終的な対策は自身が主体的に決めることが重要です。
ヘソディムの成功事例


ヘソディムは、研究室で生まれた単なるアイデアではありません。
全国の指導員や研究機関が連携し、「実際の農業経営で利益が出るか」を検証して作られた実践マニュアルです。



ヘソディムを取り入れた成功事例を3つ紹介します。
【統計が証明】長野県ブロッコリー根こぶ病での回避実績
根こぶ病はブロッコリー栽培において、一度発生すると大きな損害をもたらす厄介な病気です。長野県では、ヘソディムの防除計画(スキームver1.0)を使うことで、本当に被害を防げるのか、大規模な検証が行われました
作付面積1,000haを誇る大産地での実証
2019年から3年間にわたり、県内のブロッコリー栽培地域(約1,000ヘクタール)において、63の圃場を対象とした追跡調査が行われました。
その結果、ヘソディムを取り入れた畑とそうでない畑で、収穫量に大きな差が出ることが判明しました。
この結果は「フィッシャーの正確確率検定」という専門的な統計分析にかけられ、ヘソディムの計画を参考にすることは、減収リスクを抑えるために有効であると、科学的に証明されました。



ヘソディムに基づく防除は単なる気休めではありません。
収穫量が減る危険性を確実に下げるための効果的な手段であると、実証されたのです。
【高確率で被害を抑制】群馬県キャベツバーティシリウム萎凋病
群馬県では、キャベツのバーティシリウム萎凋病に対して、経済的にプラスになるか視点で基準を作り、その予防効果を実証しました。
設けた基準は、以下のとおりです。
被害率5%以下:減収額より消毒コストの方が高くなるため、高額な消毒はしない(レベル1〜2)。
被害率5%超:減収額が大きくなるため、コストをかけてでも土壌くん蒸剤で消毒した方が利益が出る(レベル3)。
この「5%」という数字を、徹底的な対策が必要か分岐点として設定したのです。
実証実験でわかった「94%」の数値
マニュアルに沿って対策を行った場合、本当に被害を抑え込めるのか検証が行われました。



その結果、ヘソディムを活用した圃場とそうでない圃場では、次のような差が出ました。
- ヘソディムを活用した圃場:94%の確率で被害を抑制。
- 自己流で対策した圃場:83%にとどまる。
自己流でも8割は成功していますが、裏を返せば約5〜6回に1回は失敗して損害(被害率5%超)を出していたことになります。
ヘソディムを導入することでそのリスクを極限まで減らし、必ずしも高額な土壌くん蒸を行わなくても、予防的な管理で安定経営ができることが実証されたのです。
【徹底した一次予防の理想形】三重県・秋冬野菜の根こぶ病対策
ヘソディムが最も重要視しているのは、病気が発生する前に対策を打つ「一次予防」です。その理想的な姿が、三重県JAみえきた地区の秋冬野菜(根こぶ病対策)の現場で実証されました。
73圃場で実証された予防の効果
JAみえきた地区でヘソディムに基づいた対策を行った結果、驚くべき成果が得られています。
対策実施:対象となった73圃場。
結果:71圃場で病気の発生を抑え込み、病原菌が検出されない状態(レベル1相当)を維持した。
この事例で特筆すべきは、病原菌が検出されないレベル1の畑に対する、その後の管理方法です。
これらの畑では高コストな土壌消毒は行わず、アミスルブロム粉剤の苗への処理のみという最小限の農薬使用で対応しました。



その結果、その後も病原菌が検出されないクリーンな状態を継続できています。
三重の実証結果は、費用を抑えつつ、病気の発生を未然に防ぎ続けるという、ヘソディムが目指す一次予防の「理想的な姿」であると高く評価されています。
ここまで取り上げた長野・群馬・三重の事例が示していること。それは、ヘソディムが単に病気を抑えるだけの技術ではないということです。
圃場の状況に応じたコストと対策のバランスを実現し、農家の収益性を向上させるための管理技術、それがヘソディムなのです。
NPO法人「圃場診断システム推進機構」常識を覆す挑戦。


ここまで紹介してきたヘソディムですが、普及には大きな壁があります。
それは日本の農業に深く根付いた習慣を、まったく新しい常識へ変える必要があるからです。
この途方もない変革に挑んでいるのが、NPO法人「圃場診断システム推進機構」です。



彼らはヘソディムを単なる新技術ではなく、農業の歴史を変える「破壊的イノベーション(古き良き破壊)」と捉え、本気で現場と向き合っています。
できない理由より「どうすればできるか」を話そう
新しいことを始める時、最初は「97%の人は反対する」と言われています。
実際、ヘソディムの「発病した株を抜き取る」といった地道な作業に対し、現場からは「そんなの現実的じゃない」と反発の声が上がることもあります。



しかし同機構はそこで諦めません。
「なぜできないか」を議論するのではなく、「どうすれば現場の負担なく導入できるか」を農家と一緒に考える。この対話こそが、新しい農業を定着させる唯一の鍵だと信じているからです。
トラブルも解決!頼れる「認定指導員」の育成
AIアプリがあるとはいえ、現場では「アプリ通りにやったのにうまくいかない」というトラブルも起こり得ます。
そんなケースの時には、データと科学で解決できる助っ人が必要です。
そこで同機構では、「ヘソディム指導員」という認定資格を作り、人材育成に力を入れています。



科学的リテラシーを持った指導員が、あなたの畑の主治医としてサポートする体制づくりが進んでいます。
ヘソディム市場の形成と新規事業
ヘソディムを一過性のブームで終わらせないために、圃場診断システム推進機構では現在、以下の3つの事業を柱に「新しい市場」を作っています。
AIアプリ「HeSo+」の展開
AIを活用した診断・対策支援システム「HeSo+」は、すでに販売が開始されており、普及の第一弾を担っています。
土壌微生物相分析サービス
これまで高価だった「土の中の菌バランス(微生物相)」を、手軽に検査できるサービスとして準備中です。
カードゲーム「菌ジャカ」で次世代へアプローチ
病原菌をキャラクター化したカードゲーム「菌ジャカ」を作り、販売しています。
子供たちが遊びながら「菌の世界」を学ぶことで、農業の未来を担う次世代(後継者)を育てようというユニークな試みです。
まとめ:勘に頼る防除を変えてみる
ここまで次世代の土壌診断技術「ヘソディム」について解説してきました。
最後に、なぜ今ヘソディムが必要なのか、その重要ポイントをおさらいしましょう。
1:ヘソディムは「土の人間ドック」
なんとなくで農薬を撒くのをやめ、土の状態を数値化する技術です。
人間が健康診断を受けるように、土も「病気になる前の診断(一次予防)」を行うことで、大病を未然に防ぎます。
2:「診断・評価・対策」でムダを削ぎ落とす
自分の畑がレベル1なのかレベル3なのかを知ることで、対策のメリハリがつきます。
例えばショウガ栽培の事例では、リスクに応じた対策により10aあたり約30万円ものコスト差が生まれることが試算されています。
3:スマホで「見える化」
難しい計算は不要です。「HeSo+(ヘソプラス)」を使えば、AIがあなたの畑のリスクを「青・黄・赤」の色別で地図上に表示します。直感的にリスクを把握でき、対策の意思決定を強力にサポートします。
4:国も認める切り札
ヘソディムは「みどりの食料システム戦略」や改正植物防疫法にも位置づけられた、国が推進する技術です。
しかし私たちにとって一番大事なのは「それで儲かるの?」という点でしょう。
長野のブロッコリーや群馬のキャベツの事例が証明した通り、ヘソディムは「減収リスクを統計的に回避」し、「経費を減らして手取りを増やす」ための、実証された経営ツールです。
この記事をきっかけにヘソディムへの興味や関心を抱いたなら、ヘソディムの母体である「圃場診断システム推進機構」の公式サイトをチェックしてみてください。
引用・出典
土壌消毒剤低減のためのヘソディムマニュアル
健康診断の発想に基づく土壌病害管理法「ヘソディム」
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