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農作業で熱中症を防ぐ方法が知りたい…
熱中症になった場合の対処はどうする?
農作業での熱中症対策は、しっかりできていますか。
農作業中の熱中症では倒れる人だけでなく、現に亡くなる人も毎年います。

特に梅雨が明けてからの7月・8月・9月は、30℃超えとなる日が多いため、熱中症対策は欠かせません。
今回は農作業で熱中症にならないためのコツやなってしまった時の対処法、取り入れるべき冷却グッズを紹介します。

熱中症になった実話もお届けします。
本記事を読めば、農作業で熱中症を防ぐ解決策が分かり、厳しい夏を乗り切れる知識にアップデートできます。
- 熱中症になることがもっとも効率低下になる
- 体調に違和感をおぼえたらすぐ休む
- 7時間以上の睡眠を心がける
- 夏の農作業は早朝と夕方にする
- 冷却グッズを活用して涼しくする
- 1人で農作業する場合は誰かに伝えておく
- スマホを常備していつでも119番できるようにする


ライター:相馬はじめ
- 農業法人に8年間勤務
- 現場リーダー、SNS運用担当
- 得意な作物:キャベツ・白菜・じゃがいも・米・麦・そば
農作業で熱中症を防ぐ極意7選
農作業での熱中症を防ぐ極意7選は以下のとおりです。
熱中症は気合で乗り切れるモノゴトではありません。
それぞれの対策について紹介します。
農作業は早朝と夕方に行う


炎天下での農作業は、極力さけるようにしましょう。
特に気温が上昇する11時から14時は、熱中症のリスクを高めます。
そのため夏の農作業は、午前3時〜10時。午後は15時以降にするのがおすすめです。



梅雨が明けるのを目安に、夏の作業に適した時間に変更しましょう。
水分と塩分を補給する


真夏の農作業では、水分とともに塩分も補給することが欠かせません。
汗は体内の水分だけでなく塩分も排出するため、水を飲むだけでは熱中症対策は不十分です。
そこで水分補給に合わせ、塩タブレットも定期的に食べるのがおすすめです。



スポーツドリンクばかりでは、糖分を摂りすぎてしまうかもしれません。
水もしくは麦茶と塩タブレットの併用を試してみてください。
1時間に1回は休憩する


猛暑や酷暑と言われる7月・8月は、こまめな休憩が必須です。
畑や空調設備のないハウスや屋内の現場では、1時間に1回以上は休憩を取るようにしましょう。
作業の流れを中断するのは効率悪いと感じますが、それよりも命のほうが大切です。



体調を崩すほうが生産性の悪化に直結します。
1回あたりの休憩時間は15分〜20分あたりを目安にするといいでしょう。
冷却グッズを活用する


30℃超えの現場で農作業するなら、冷却グッズを取り入れましょう。
農作業の現場でもおすすめできる冷却グッズが、以下の一覧です。
- 空調服
- アイスベスト
- ツバが広い帽子など
農作業で活躍する熱中症対策のアイテムについては、こちら「【おすすめ】農作業の熱中症を防ぐ冷却グッズ一覧」で紹介しているので、チェックしてみてください。
夜ふかしせず早く寝る


寝不足は熱中症になるリスクを高める要因です。
夜は早めに寝て、次の日の農作業に備えるほうが不調なく1日過ごせます。
適切な睡眠時間は人によっても異なりますが、7〜9時間眠れると良いコンディションで次の日を迎えられるでしょう。



見たいドラマや読みたいマンガは、昼休みの楽しみにもってきましょう。
お互いに気をかけ合う


農作業を家族やスタッフとしているなら、お互いに声をかけながら気にかけ合いましょう。
肉体的にも精神的にもかなりの安心感につながります。
仮に1人で真夏の畑で農作業するなら、必ず行く前に誰かに伝えるか、すぐに連絡できるようスマートフォンを持ち歩きましょう。



1人は無理してしまいがちなので、30分ごとに休憩してもいいかもしれません。
無理は絶対にしない


酷暑の農作業で無理は絶対にしないようにしましょう。
自分では大丈夫と思っていても、熱中症は急にくることがあります。
目安としては、あなたの心で「もう少し頑張れるかな」とつぶやくことがあったら、一旦休憩しましょう。



ちょっとした無理が命の危機につながることもあるので、熱中症を甘くみてはいけません
熱中症かもしれないときのサイン
農作業中に以下のような症状が起こった場合は、すでに熱中症の初期段階かもしれません。
上記のどれかにでも当てはまることがあった時は、休むことを優先してください。
症状の詳細についてもお伝えします。
急な息切れ


農作業中に急な息切れが起きたら、すでに熱中症になっているかもしれません。
深呼吸しようとも「ゼェゼェ」するなら作業をストップして、いち早く体を休めましょう。
心拍数の上昇


動いていても止まっていても強く脈打つのを感じ、いつもより「ドキドキ」するなら、それも熱中症のサインかもしれません。
この時にも息があがってしまうような、息苦しさを感じることがあるでしょう。
息切れと同様に作業を中止し、休むことを徹底してください。
頭がガンガン痛む


頭痛持ちでない人も、熱中症では頭がガンガン痛むことがあります。
痛みを感じる箇所はそれぞれですが、主に頭の前側や後ろ側などさまざまです。
炎天下での頭痛は熱中症の可能性が十分にあるので、必ず休むようにしましょう。
めまい・立ちくらみ


熱中症のサインでは、視界がグルグルするようなめまいや、しゃがみ姿勢から戻るときの立ちくらみも当てはまります。
普段とは異なる感覚や違和感に気づいた時にも、早めの休憩が欠かせません。
めまいや立ちくらみがしたら、農作業は中断しましょう。
体に力が入らない虚脱感


立っていても座っていても体に力が入らず、虚脱感をおぼえることがあれば、熱中症の初期症状かもしれません。
もし作業を一緒にしている人がいるのなら、あなたの状態を包み隠さず伝えましょう。
動くのが難しいのであれば、119番に電話して救急車を頼るのも1つです。
農作業中に熱中症になったときの対処法
農作業中に熱中症になってしまった場合の対処法は、以下のとおりです。
それぞれの対処法について解説します。
日陰に避難する


農作業中に熱中症になったら、まず日陰に避難して体を日光から遠ざけましょう。
日向では熱中症が悪化するばかりです。
事前に農作業する畑周りでは、日陰で休憩できるスポットを押さえておくのがおすすめです。
首やワキの下などを冷やす


熱中症になった場合の応急処置として、首やワキの下、股関節の付け根などを冷やすのも適切な行動です。
畑に持ってきている水筒の水や氷で構わないので、首まわりにかけたりタオルを湿らせて体に当てたりして、体を冷やしましょう。
一緒にいる人を頼る


「熱中症かもしれない」と思えるような違和感をおぼえたら、まず一緒にいる人を頼りましょう。
無理するとかえって心配させてしまいますし、人は頼られると自然と行動してしまう生き物です。
反対にあなたが頼られた場合も、救助に徹しましょう。
クーラーのきいた部屋で休む


熱中症になったら、クーラーのきいた部屋で休むのが理想です。
日陰であっても7〜8月は30℃はあるので、涼しい屋内で休むことが求められます。
水分と塩分を補給することも忘れずに。
119番に迷わず電話する


農作業中に熱中症になったら、ためらわず119番に電話して救急車を頼りましょう。
特に1人で農作業する人は意識すべきです。
近年むやみな119番は控えるようになど目にすることがあるかもしれませんが、炎天下での農作業はそれに該当しません。
そしてもっとも理想的なのは、炎天下の時間帯に農作業はしないことです。
【実話】農作業中の熱中症で死にかけた元農家


ボクの地元である茨城県古河市は、6月中旬から30℃超えの猛暑を迎えます。
そして春夏シーズンのキャベツ収穫でもっともキツいタイミングが、酷暑にもなる7月初旬〜中旬です。収穫も終盤というときに、ボクは熱中症になりました。
熱中症になったのは、箱詰めされたキャベツをトラクターに積む作業をしていた時でした。時刻は午前11時。



炎天下の運び作業は、冗談抜きで危ないです。
周りのスタッフと調子を合わせて運び作業をしている最中に突然、吐き気とダルさに襲われ、立ってることもままならなくなりました。意識はギリギリ保てていたので、親方に報告して急遽日陰に避難。
事務所にいるスタッフに畑に迎えに来てもらい、その後はクーラーの効いた部屋で休み、半日で仕事を終えました。
なんとか自分から体調不良を申し出ることができたものの、意識失ってたらホントに危なかったです。
熱中症を招いた主な要因
熱中症を招いた主な要因は、以下のとおりです。
- 炎天下での農作業だった
- 周りにあわせて無理した
- 空調服を着ていなかった
- 早めに相談すべきだった
農業では、みんな暑いなかでも当然のごとく仕事しています。
自分だけが調子悪いことを伝えるのに、引け目を感じていたんです。これはどの業種でも起こり得る気持ちかもしれません。
また空調服を着ずに炎天下にいたことも、熱中症のリスクを高めたのかなと個人的には考えています。空調服を取り入れてからは、暑い中でも以前よりもだいぶ楽に感じるようになったからです。
そして最後は親方や周りのスタッフに、早く相談すべきだったことです。
炎天下で農作業するのであれば、自分が感じているよりも早めに手を挙げるべきでしょう。



倒れてしまっては元も子もありません。
夏の農作業は「いのちだいじに」を最優先して、取り組みましょう。
【おすすめ】農作業の熱中症を防ぐ冷却グッズ一覧
農作業中の熱中症対策におすすめの冷却グッズは以下のとおりです。
上記の冷却グッズについてもそれぞれ解説します。
空調服


空調服は夏の農作業において、欠かせない冷却グッズです。



着るだけでも体感温度はグッと下がります。
ただ現在は空調服が普及していることからラインナップが多く、選ぶのが難しいこともあります。
なので空調服選びで失敗したくないならBURTLE(バートル)の空調ウェアを選べば、間違いないでしょう。
こちらもおすすめ
空調服については、「【空調ウェア】農作業におすすめ3選!涼しい最強の着こなし方も紹介」で紹介しているので合わせて読んでみてください。
アイスベスト


アイスベストとは、凍らせた保冷材を着用できることを叶えたベストです。
保冷剤を入れるポケットが両脇や背中にあることで、より涼しさを感じられる設計になっています。



そしてアイスベストは、空調服とも相性バツグンの冷却グッズです。
アイスベストと空調服を併用すれば涼風が上半身を駆け巡ります。
ヘッドキャップ


ヘッドキャップは、耳や首周りを直射日光から守る冷却グッズです。
ヘッドキャップの使い方は簡単で、帽子の下に被るだけです。



横顔やうなじに日が当たらないだけでも、涼しさは全然違います。
ヘッドキャップは1枚あたり1,000円しないで買えるので、2枚持っておくとルーティンで毎日使えます。
ツバが広い帽子


夏の農作業では、麦わら帽子のようにツバが全方向に広い帽子を選ぶのがおすすめです。
野球帽のような前側だけにツバがある帽子だと、後頭部が無防備なので直射日光が当たりやすく、熱中症のリスクを高めます。
昔ながらの麦わら帽子もおすすめできますが、手入れのしやすさや、かさばって邪魔に感じるなど考慮すると、手洗いできる布タイプのツバが広い帽子を選ぶのが賢明です。



商品によっては日除けカバーが付属しています。
2リットル以上の水筒


体の内側から外側を冷やすのに手放せないのが、2リットル以上の容量の水筒です。
大容量の水筒は、夏の農作業で欠かせない水分補給だけでなく、タオルや頭を濡らすことにも活用できます。



大きい水筒は夏の畑では正義です。
個人的にはTHERMOS(サーモス)の水筒を選んでおけば間違いないので、おすすめします。
農作業で熱中症にならないで。


農作業中の熱中症や対策について解説しましたが、総じて言えることは、とにかく熱中症になる前に休むことを心がけてほしいという願いだけです。
冷却グッズを用いても、体調が優れないときは熱中症になります。
なので、夜ふかしせず睡眠時間を確保することや、気温が低い時間帯に農作業することが大切です。
ますます気温が高まる夏を乗り越えるためにも、自分の体調を最優先して農作業に取り組みましょう。
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